キーボードは、コンピュータへの入力装置の一つ。コンピュータの操作全般に用いられる。GUIを使用する場合は全ての操作がキーボードで行えない場合が有るため、その際は文字の入力、項目やカーソルの移動、特定の操作の実行など、ユーザからの直接的な入力を担う。ポインティングデバイスが存在する場合は、特に文字入力に使われることが多い。
キーボードは、コンピュータ用語では「KB」と略される場合も見られるが、同じくコンピュータ用語である「キロバイト(記憶容量単位)」と混同を避ける上で注意が必要である。
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一般的なキーボードの形状は、長方形の板状の筐体におよそ百前後のキー(鍵)が設置され、キートップには文字、記号、機能等が印字されている。キートップを押したり離したりする事によってスキャンコードがコンピュータへと送信され、これによりコンピュータの操作を行う。材質、配列、形状、インターフェイス、また用途や品質により様々な種類が存在する。
元来は、電動タイプライターの操作部をそのまま借りてきたものであり、最初期のコンピュータで用いられたパンチカードやロジック配線パネルに代わるものである。その後、端末動作用のコントロールキー、ファンクションキー、オルタネート(ALT)キーなどが加えられて、現在の形になっている。これらは内部に電気的スイッチをもち、場合によってはそれをキーボードの内部的に処理して、各々のキーに設けられた単純なスイッチの開閉という信号から、より少ないケーブルで入力情報を伝えるための電気信号に変換する集積回路を持っている。
コンピュータ用キーボードは様々な種類があり、キー配列一つ取っても多くの種類に分類する事ができる。日本では日本語入力のために全角/半角キー、変換キー、無変換キー、カタカナ/ひらがなキーなどの漢字変換用キーが追加された旧JISキーボードが主に使われているが、親指シフトキーボードをはじめとする、特に日本語入力のための配列を工夫したキーボードもある。
なお、使用字種の少ない米国の英語入力のためには、欧州より文字キーの少ない米国配列のキーボードが使われている。米国配列のキーボードでは、アットマーク、コロン、引用符等、記号の配列がJISキーボードとは一部異なる。ちなみに米国配列の英語キーボードでも日本語の入力は十分可能である。文字キーの個数がJISキーボードより少ないため、仮名の配列も一部異なる。一部では、日本語ユーザでもあえて米国配列のキーボードを使用する者も存在する。最初に触れた米国配列のキーボードでタッチタイピングを覚えたり、キーの少ないシンプルさが好まれたりする事等がその理由である。
JISキーボードでも、テンキーが右側に別にある物をスタンダードキーボード、テンキーがアルファベットの文字列中にある物(テンキー部のない物)をデータエントリーキーボードと呼ぶ事もある。また、前者をフルキーボード、後者をテンキーレスキーボード、等と呼ぶ事もある。 前者は、主にデスクトップ型パソコンやコンピュータ端末などで使用され、後者はノートパソコンや省スペースを目的とする一部のデスクトップパソコン、データ入力を専門とするパソコン、コンピュータ端末などで使用される事が多いが、テンキー部の有無で用途が区別される事はあまり無い。
テンキー部の省略されたテンキーレスキーボードは、通常のフルキーボードに比べ種類が少ないが、その中でもフルキーボードから純粋にテンキー部を取り除いた物[1]と、少しでも全体をコンパクトにまとめるために独自の配列を採用した物[2]の二種類に大別される。どちらにせよ、テンキーの存在はポインティングデバイスの設置位置を遠くするため、テンキーの無いキーボードは一部のユーザに重用されているが、個人用途では2007年1月現在でも今だニッチの域を出ていない。PCサーバを19インチラックに搭載する場合、設置スペースの関係からテンキーレスキーボードを用意することが多い。
また、KinesisのContoured Keyboardに代表される、人間工学に基づいてタイプする人の負担を減らすことを重点に置いた、いわゆるエルゴノミクスキーボードや、Frog PadやCut Keyのように片手での入力を行なうことを前提としたキーボードもある。
ゲーム用のコントローラ(ゲームパッド)の中には、ゲーム用デバイスであるにもかかわらずゲームコントローラの信号ではなく、キーボードと同じキーコード信号を出し、OS側からは一般のキーボードとして認識される物もある。これらは特別なドライバをインストールする必要が無く、またゲーム用の接続ポートが占有されないなどの利点があるが、USBの普及やゲーム用デバイスがOS標準でサポートされるなどを理由に、近年ではあまり見られなくなっている。中にはマイクロソフトの「Strategic Commander[3]」のような特殊な形状をしたものもあった。
また身体障害者向けに一部キー機能を抜き出した入力装置も見られる。 特に、ソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)は、キーボードの機能をソフトウェアで実現したもので、画面上にキーボードの形を表示し、ポインティングデバイス操作によるカーソルや、タッチスクリーンとペンなどで各キーを指定して文字入力を行なう。音声出力や検索機能を搭載できるカスタマイズ性が、特徴のひとつで、初心者や障害者支援の一環にもなっている。
この他、ブックを搭載し、ページをめくる事でキーボードキーの意味がプログラムにより変わるインテリジェントキーボード(鉄道駅などのみどりの窓口の発券端末など)、特殊なペンによりキー入力を行うペンタッチキーボード(PDAなどで使用)などがある。
今日、一般に普及しているキーボードは、昔のタイプライターの時代から継承してきたものや、コンピュータの時代になってから新たに追加されたものなど、数多くの機能を備えるようになっている。
キーを押しっぱなしにした場合、そのキーに対応するコードが連続して入力(送信)される機能である。最初に押した時点からn秒後、m秒間隔で繰り返しするというような設定を行なえるキーボードもある。ソフトウェア的にシミュレートしたり、ソフトウェア側から(キーボード単独でなく)設定できるものもある。ほとんどのOSでは、これらの間隔を自由に設定出来る。例えば、Windowsにおいては、コントロールパネルでキー入力しきい値と入力間隔を設定できる。
ロックされている間は、キーボード上の全てのキーがシフトキーを押したままの状態になる特殊なキーである[4]。この機能の起源は機械式のタイプライタに見る事が出来、シフトロックキーが有効になっている間は文字通り物理的にシフトキーがロックされた状態となるものであった。通常コンピュータ用のQWERTY配列キーボードでは用意されている事は少ないが、フランス語圏で多用されるAZERTY配列等やコモドール64などを含む比較的古いもの等にはシフトロックキーが搭載されている。
QWERTY配列のキーボードにはシフトロックキーの代わりにキャップスロックキーが用意されている。ただし、何らかの理由で同時に押すことが出来ない状況があり得るので、例えばMacOS/OSXやWindows等を含む一部のOSやウィンドウマネージャの一部には、キャプスロックキーにシフトロックキーを割り当てる事が出来る機能がある。
Caps Lock(キャップスロック)キー、キャピタルロックキーは、キーが有効になっている間、コンピュータに入力される文字を小文字から大文字に変える為のキーである[4]。CapsとはCapital lettersの略、すなわち英字の大文字の意味である。
その由来は、昔のタイプライターの時代まで遡る。 昔のタイプライターのキーは非常に重かったため、シフトキーを押しながら文字キーを打鍵するという動作は、身体的に非常に負担のかかるものであった。CapsLockは、この負担を緩和するために作られた機能である。
PCのキーボードでは、NUM Lock(ナムロック)というキーがある。この場合のNumはNumeric(ニューメリック、数字の)の略であり、これをオンにした場合には…
Scr Lock(スクロールロック)キーは、2007年現在でも未だにPCのキーボードに存在するが、IBM製の大型汎用コンピュータの昔の専用端末機「3270」での画面のロールアップ・ロールダウンの互換性を持たせたものらしい。オン状態で矢印キーを操作すると一画面ごとの画面スクロールができたらしい。現状で言うと「Pageup」「Pagedown」キーに近いものである。
現在ではPC起動時のBIOS画面で、情報を詳しく見いたい時にScrLockキーを押すと画面が停止するなどの利用がされている。また、オン状態で「Pageup」「Pagedown」を押すとIEなどのブラウザではほぼ一画面ごとの移動ができる。現在のWindows環境では機能するソフトはほぼ皆無であるが、Excelではカーソル位置を固定してシートの方をスクロールする切り替えとなっている。
SysRq(システムリクエスト)キーは、未だにPCのキーボードに存在するが、本来は「3270」などのIBM製のメインフレーム (汎用機) の昔の専用端末機に付属するキーボードにおいて、37xx型通信制御装置に対してホストへの接続要求(VTAMリクエスト)を送信するためのキーで、後に初期のPCをメインフレームのインテリジェント端末として使用する際にキーボードの互換性を保つために持たせたものらしい。現在のWindows環境では機能するソフトはほぼ皆無である。
Prt Sc(プリントスクリーン)キーは、未だにPCのキーボードに存在するが、本来は「3270」などのIBM製のメインフレーム (汎用機) の昔の専用端末機に付属するキーボードにおいて、現在端末に表示されている情報を印刷するようにホストに対して要求する信号を送信するためのキーで、後に初期のPCをメインフレームのインテリジェント端末として使用する際にキーボードの互換性を保つために持たせたものらしい。現在のWindows環境では現在画面に表示されている情報をビットマップイメージとしてクリップボードに格納する機能が割り振られている。なおALT+PrtScではアクティブなウィンドウの画像のみが格納される。
機械式キーボードにおいては、右端まで来ると、その旨を通知するためのベルが鳴る。コンピュータ用のキーボードは、一部の機種(Sunのキーボードなど)において、キーボード内にベル音をならすためのスピーカーがついている場合がある。この場合、本体側からBelキャラクタ(ASCIIで07H)を送信することで音が鳴る。但し、本物のベルではないのでビープ音という場合がほとんどである。
機械式キーボードにおいては、キーを打鍵するたびに機械的な動作に応じて音と手応えがするが、電気式のコンピュータ用のキーボードではほとんど音がしない。そのため、キーの打鍵がされたかどうかを確認するために、打鍵するたびごとに音を発生させる仕組みが用意されている場合がある。これをクリック音という。音の発生機能そのものは前述のベル音と同じである。
しかし一部の業務用やマニア向け仕様のキーボードの中には、スイッチ部分に物理的にクリック感を生み出す物も見られ、好みで選択されている。中にはこれに特化して、激しい動作音のするものも見られる(後述)。
電気式のキーボードは、内部の電気回路的な制約により、機械式キーボードとは違い、同時に複数のキーを押すことが物理的に可能である。何文字まで同時にキーを押せるかを表わすのがロールオーバーである。たとえば3キーロールオーバーなら3キーまで同時押し可能ということを指し、nキーロールオーバーというのはどのキーを同時に押しても反応することを指す。現在のキーボードはコントローラーによっていくつかの種類があり、安価なメンブレンスイッチ(圧力が加えられると導通するシート状のスイッチ)の場合には2~3キーロールオーバー、メカニカルスイッチの場合には疑似nキーロールオーバーや完全nキーロールオーバーとなっている。USBキーボードはUSB HID規格で定義されているboot protocolがほとんどの場合使われるが、その場合そのフォーマットの構造からくる制約により最高でも6キーロールオーバーまでとなる。
特殊なキーボードには特殊なステータス表示機能がついている場合がある。PC用のキーボードでは、一般的には、キャップスロック状態、ニューメリックロック状態、スクロールロック状態を3つのLEDによって表す表示機能が付いている。LEDの色はたいてい緑色か橙色であるが、青色が使われているものもある。PCで一般的に使われるATキーボード(PS/2キーボード)ではこれらの表示機能はコンピュータ本体から制御可能である。この制御がアプリケーションソフトウエアが実際に行えるかどうかはコンピュータで動作しているOSに依存する。GNU/Linux等の一部のOSでは、PC用のキーボード上のこの3つの表示機能を使い、OSからのパニック時のステータスを表示させることができるものもある。
ステータス表示用の他にも、全てのキーにLEDを内蔵し、その光で暗い部屋でもキー表示が見えるようにした物等もある[5]。売り出された当初は軍事用ではないか等の噂も立ったが[6]、恐らくは派手な電飾を好むModding文化から由来した物であると考えられる[7]。但し、LEDではないものの、光るキーボード自体はバックライト用にエレクトロルミネセンスを使用したセンチュリーの蛍等、それ以前から存在していた。出所の怪しさやチェリー製のスイッチ等が注目を浴びた理由であろうと考えられる。
LEDだけではなく、キーボードに液晶表示を搭載する例もあり、ロジクール(Logitech)のゲーム用キーボードG15 Gaming Keyboard[8]には、角度調節が可能なバックライト付きLCDパネルが搭載され、様々な情報が表示される。
また極めて特異な例ではあるが、ロシアのデザイン会社Art. Lebedev Studio[9]から、全てのキートップに有機ELディスプレイが内蔵されたOptimusキーボード[10]の発売が発表された。しかし度重なる発売延期と仕様変更が相次ぎ、実際に当初の発表通りの製品になるのか、実際に発売されるのか等は不明である。2007年1月現在Optimusキーボードはまだ発売されていないが、キーが3個だけ搭載された簡易版となるOptimus mini threeキーボード[11]とその改良版が発売されている。
キー配列も参照。
特定の機種専用のキーボードには、特殊なキーが用意されている場合がある。下記はその例である。
様々なものがあるが、メカニカル・メンブレン・静電容量無接点が使用される事が多い。
メカニカルスイッチはユニット自体にアクチュエータを内蔵している事がほとんどであるが、その他のスイッチの場合、スイッチを通電させたりキータッチを出したりするアクチュエータが存在する。
シフトキーやスペースバーのように長いキーボードのどの位置を押しても正しくまっすぐ押下できるようにするための仕組みである。これを省略している安いキーボードは、シフトキーの端の部分を押すと、引っかかってスムーズに押せないものがほとんどである。初期のIBM PCのキーボードは、そのためキーの中央のみにキートップを付け、端の部分を押せない物としていた。
主にキーの機能などが印字されている。たいていの場合表面にホームポジション・マーカがある。平らな物、球面状に窪んでいる物、円筒形に窪んでいる物などの種類がある。 平らなものはパンタグラフなど薄型キーボードに多く、球面状に窪んでいる物は昔の物に多かったようである。
印字方法には様々な種類があり、二色成型・昇華印刷・シルク印刷・レーザー印字などがある[20]。 最も耐久性(印字の消えにくさ)に優れるのは二色成型だが、文字の種類だけ金型が必要なため、近頃ではコスト的な問題から採用されることはまずない。 また、昇華印刷も一部の高級機種に用いられているのみであり、大多数のキーボードには専らシルク印刷(特にカラー印字がある場合)とレーザー印字が用いられている。
印字がされていない無刻印キーボードとよばれるものが存在する。キーボードの印字の重要性は、タッチタイピングをしない人に比べてタッチタイピングをする人は低い。また、タッチタイピングをする人は使いやすいようにキー配列をカスタマイズする場合があり、こうしたユーザにとって印字がされていないキーボードは、使い勝手が良いとの考えによるものである。[21]
ホームポジション(人差し指を置く位置)を触って分かるようにする、キートップ上に付いている小さな出っ張りのことである。または、FとJのキートップを他のキートップよりも深くえぐってある場合もある。現在の多くのキーボードでは、人差し指のFキー、Jキーの所に付いている。俗にOld Worldと呼ばれるiMacより前の、つまりベージュのMacintoshのキーボードは、テンキーと同じ中指のDとKであった。親指シフトキーボードには、人差し指だけではなく小指(Aと;)の部分に付いているものもある。これらホームポジション・マーカはキーボードを見ないでも、文字入力するためのものであるが、特に長い文章の作成やプログラミングをキーボード入力で行う人達には、非常に重要な存在である。
打鍵しやすくするため、あたかも階段のように遠いキーほど高くなっている構造の事である。特にキートップの並びが円筒形のような曲面を描いている物はシリンドリカルステップスカルプチャ若しくはステップスカルプチャ・シリンドリカルと呼ばれる。シリンドリカルには、実際のキーが曲面状に設置されているものや、キートップの形状で再現したものなどがある。
なお、シリンドリカルと言う単語は、キートップの表面の形状が円筒の内側のようなえぐれをしているものを差して使用される事もあり、混乱を招く場合がある。
タイプしやすいようにキーボード全体を傾けるための機構である。平たく言えばキーボードの足である。人間工学的には、奥を上げた方が良いという意見以外にも、手前を上げた方が良いなど異論もあり、実際に手前側を高くするためのチルトスタンドを装備したキーボードも存在する。