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クレオパトラ7世

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2007年11月14日 (水) 23:34。)
Disambiguation この項目では古代エジプト最後のファラオについて記述しています。その他のクレオパトラについてはクレオパトラ (曖昧さ回避)をご覧ください。
クレオパトラ
クレオパトラ

クレオパトラ7世フィロパトル紀元前70年12月または紀元前69年1月紀元前30年8月12日)は、古代エジプトプトレマイオス朝最後の女王である。プトレマイオス12世アウレテスの娘にあたる。「クレオパトラ」の名はギリシャ語で「父の栄光」を意味する。

目次

略歴

紀元前51年、クレオパトラ7世は、父プトレマイオス12世の死去を受けて、王位(ファラオ)を継承し、エジプトの単独統治を開始した。クレオパトラ7世には、2人の姉がいたが、ともに早世・処刑などで死去したため、プトレマイオス12世の生存する子女のうち最年長であったクレオパトラ7世がファラオに即位したとされる。

その後、クレオパトラ7世は、エジプト王家の伝統に従い、弟プトレマイオス13世(在位、紀元前51年紀元前47年)と結婚し、共同統治を開始したが、ローマの外圧や弟プトレマイオス13世、妹アルシノエら肉親との権力闘争に悩まされた。

カエサルとの出会い

絨毯の中からカエサルの前へ現れるクレオパトラ ジャン=レオン=ジェローム 1866年
絨毯の中からカエサルの前へ現れるクレオパトラ ジャン=レオン=ジェローム 1866年

紀元前48年の春、共同統治に不満を持つプトレマイオス13世がクレオパトラ7世をアレキサンドリアから追放した。おりしも、ポンペイウスを破ってエジプトに入ったユリウス・カエサルは、両共同統治者を招集した。このとき彼女は自らを寝具袋にくるませ、カエサルのもとへ贈り物として届けさせたという(普通、絨毯に包ませたといわれるが、資料では確認できない)。こうしてクレオパトラがカエサルの愛人となり助力を得て、反ローマ勢力であったプトレマイオス13世を攻撃してナイル川に溺死させた。この時、プトレマイオス13世と結託し、クレオパトラと敵対していたアルシノエは、ローマ軍に捕らえられ、のちにローマの凱旋式で引き回されることになった。

プトレマイオス13世敗死後、クレオパトラ7世は別の弟プトレマイオス14世と結婚して共同統治を再開したが、カエサルの愛人であり、紀元前47年、息子カエサリオンをもうけた(カエサル父親説については異論もある)。プトレマイオス14世との共同統治は、カエサルの後ろ盾を得て成立しており、カエサルの傀儡であるクレオパトラ7世による単独統治が実像であった。

紀元前46年、10年間の独裁官に任命され、凱旋式を挙行した。おそらくそのあとのことであろう、クレオパトラ7世とカエサリオンはローマを訪れた。カエサルの庇護の下に平穏な日々を過ごすローマ滞在であったが、紀元前44年、カエサルが暗殺されると、クレオパトラ7世はカエサリオンを連れてエジプトに帰国した。

カエサル死後

クレオパトラ7世は、嫡子のいないカエサルの後継者にカエサリオンを望んでいたと思われるが、カエサルは、庶子に当たるカエサリオンを後継者に指名しなかった。紀元前46年、既にカエサルは遠縁の養子ガイウス・オクタウィウス・トゥリヌスを後継者と定め、遺言書を遺していた。

クレオパトラ7世のエジプト帰国前後、名目上の共同統治者であったプトレマイオス14世が死亡すると(死因不明、クレオパトラ7世による毒殺説もある)、クレオパトラ7世は、幼いカエサリオンを共同統治者に指名した(プトレマイオス15世、在位、紀元前44年9月2日-紀元前30年8月12日)。

エジプトとローマの同盟関係はカエサルとの個人的信頼関係によるところが大きかった。カエサル暗殺の混乱を経てオクタウィウスとマルクス・アントニウスの間に権力闘争が開始されると、クレオパトラ7世は今度はアントニウスに接近した。アントニウスはエジプトに近接するシリアなどの東方地域に勢力を維持していたので、クレオパトラ7世はアントニウスと利害が一致したからである。 また、クレオパトラは、小アジアエフェソスにあるアルテミス神殿に聖域逃避していたアルシノエを、アントニウスに頼んで殺害させた。

エジプトと同盟したアントニウスは、政略結婚していたオクタウィアヌスの姉オクタウィアと離婚した。クレオパトラ7世とアントニウスは結婚したのかもしれない。その後、2人の間には紀元前39年に双子の男女のアレクサンドロス・ヘリオスと、クレオパトラ・セレネが、紀元前32年には、もう一人の男の子プトレマイオス・フィラデルフォスが誕生した。エジプトのアレクサンドリアで凱旋式を挙行したり、エジプトに墓を持つことを望むなど(これはアントニウスが書いたとされる遺言状をオクタウィアヌスが公開させたものなので真偽は定かではない)、ローマを見捨てたかのように振舞うアントニウスに失望したローマ市民は、アントニウスとの決戦を望んでいたオクタウィアヌスを強く支持するようになった。最終的にオクタウィアヌスがアントニウスに宣戦布告したときそれは私闘ではなく「ローマ対エジプト」の構図になっていた。

アクティウムの海戦での敗北~自殺

クレオパトラの死 レジナルド・アーサー 1892年
クレオパトラの死 レジナルド・アーサー 1892年

紀元前31年、クレオパトラ7世・アントニウス連合軍とオクタウィアヌスが率いるローマ軍が、ギリシャのアクティウムで激突した(アクティウムの海戦)。この海戦に敗れたアントニウスは、エジプトに帰還するクレオパトラ7世の船を追って敗走し、アントニウス連合軍は敗北を喫した。オクタウィアヌス軍から、部下を置き去りにし、女を追って戦場を後にしたと嘲笑されたアントニウスは、アレキサンドリアに逃げ込み、追撃してきたローマ軍に打ち負かされた。

クレオパトラ7世死去の誤報に接したアントニウスは、自殺を図った。アントニウスは瀕死の状態でクレオパトラ7世のところへ送られ、息を引き取った。クレオパトラ7世自身はオクタウィアヌスに屈することを拒み、コブラに身体を噛ませて自殺したと伝えられている。さすがのオクタウィアヌスも彼女の「アントニウスと共に葬られたい」と言う遺言だけは聞き入れたようである。

エジプトを征服したオクタウィアヌスは、紀元前30年、カエサリオンを殺害させ、プトレマイオス朝を滅ぼし、エジプトを皇帝直轄地(エジプト属州)としてローマに編入した。ちなみにクレオパトラがアントニウスともうけていた他の子供達はアントニウスの前妻であるオクタウィアに預けられ、オクタウィウスの親戚として遇された。カエサリオンのみがオクタウィウスと同じく「カエサルの後継者である」可能性を持つため殺されてしまったのである。

人物

  • 古代ローマ時代の歴史家プルタルコスは、クレオパトラ7世を、複数の外国語(メディア語エチオピア語シリア語パルティア語アラビア語ヘブライ語など)に通じた、知的な女性として伝えている。ちなみに、容貌については「彼女の美貌そのものはけっして比類なき者ではなく、見る人をはっとさせるものでもないと言われていた」と評している。彼女は魅力的であったが、それは雰囲気や優雅で穏やかな話し方によるものであったと言われる。美の基準は人、地域、時代などによって異なることに注意が必要だが、少なくとも同時代人による評価では、絶世の美女ではなかったようだ。
  • フランス哲学者ブレーズ・パスカルによれば、クレオパトラ7世がその美貌と色香でカエサルやアントニウスを翻弄したとして、「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら(※正確には、短かったら 参照)歴史が変わっていた」と評した。ただし、これは誤解に基づくものであり、夫の浮気に悩んでいたユリウス・カエサルの妻は、クレオパトラの鼻が高すぎるのを見て、(不美人であるとして)溜飲を下げたと伝えられる(前述のようにクレオパトラはカエサルの招きで一時期ローマに滞在していたので、その時カエサルの屋敷に招かれた時の逸話である)。
  • パスカルに限らず、後世の多くの人から世界で最も美しい女性であったと認識されている人物である(ハリウッド映画などでも名うての美人女優が演じる役と決まっている)。そのため、「実は美人ではなかった」という意見が、たびたび研究者によって発表されている。近年も、イギリスのBBCニュースで話題になった[1]
  • 映画や挿絵などでエジプト人のような姿で描かれることがあるが、プトレマイオス朝はギリシア人の家系であり、クレオパトラもギリシア人風の姿である事が多かったようである。むろん、エジプトの女王であった事から、エジプト風の格好をすることもあったようである。同時代のクレオパトラの肖像としては、ギリシア風の巻き毛スタイルと、エジプト風のオカッパスタイルの、両方が残っている。なお、オカッパスタイルの髪型は、カツラであると思われる(古来エジプト人は髪を短く切っていたため、女性のオカッパの長髪はカツラによるものである)。

クレオパトラが登場する作品

映画

小説

戯曲

舞台

漫画

アニメーション

  • 1000年女王(劇場版) - 楊貴妃、卑弥呼とともに、歴代の1000年女王として登場する。

コンピュータゲーム

参考

  1. ^ BBCニュース Coin shows Cleopatra's ugly truth
ウィキペディアでの『クレオパトラ7世』の改訂履歴
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