サーブ 39 グリペン
サーブ 39(JAS39 JASは「ヤス」と発音)はスウェーデンのサーブ社を中心として開発された戦闘機。愛称はグリペン (Gripen 有翼獅子。スウェーデン語でグリフォンのこと)。初飛行は1988年。
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JAS39のJASはスウェーデン語のJakt(戦闘)Attack(攻撃)Spaning(偵察)の略で、文字通りJAS39は戦闘攻撃偵察をすべてこなすマルチロールファイター(多目的戦闘機)である。機体のサイズで分類すれば軽戦闘機 となり、航続距離などで妥協する代わりに運用の容易性と高いコストパフォーマンスを実現している。
JAS39はカナード(先尾翼)とデルタ翼の組み合わせ(クロースカップルドデルタ)という、サーブ 37 ビゲンを踏襲した形状となっている。カナードは着陸時には前に最大まで傾きエアブレーキの役目を果たす。
JAS39は、サーブ37ビゲンの後継として1980年から開発が開始、1981年に機体初期提案がなされ翌1982年に政府はこれを承認、試作機5機と量産型30機の開発契約が与えられた。
JAS39の試作初号機は1988年12月9日に初飛行を行った。試作初号機が1989年2月3日に試験飛行中に[[フライ・バイ・ワイヤのソフトの欠陥から機体振動 (PIO) を起こし、着陸に失敗。試作初号機が大破したため、その穴埋めとしてJAS39A量産初号機が試験に使用された。これは1992年に初飛行している。そして量産2号機が実質量産初号機となり1993年に初飛行したが、この機体も試作初号機と同じくフライバイワイヤの欠陥から同年8月8日に墜落、JAS39はソフトウェアの改善が必要とされ生産の計画は大幅に遅れることとなる。1995年を見込んでいた最初の飛行隊の発足は1年遅れ、1996年になってからであった。なお複座型のJAS39Bは1996年に初飛行を行った。
PIO:Pilot Induced Oscillation // パイロットに起因する振動。
スウェーデンは軍事的に中立という政策を打ち立てていたため、戦時は敵に先制攻撃を受ける可能性が高かった。そのため先制攻撃を受けてもダメージが少なくてすむよう、戦闘機は空港に配備するだけでなく各地に分散して配備し、通常は山をくりぬいて作ったシェルターなどに格納している。そして離陸時は高速道路を使用して離陸する。当然、高速道路で滑走路のように何キロも直線状になっているものは少ない。そのためスウェーデンの戦闘機は短距離で離着陸(STOL)できる必要がある。また、シェルターのように整備が十分にできない場所でも整備ができるように、高い整備性も求められた。
グリペン以前にスウェーデンが使用していた戦闘機、サーブ 37 ビゲンは、スラストリバーサー(逆噴射装置)を使用することによって通常の離着陸は500 mあれば十分という、良好なSTOL性能をもっていた。しかしビゲンは自重が10 t以上と重いため、通常の高速道路では着陸できず、特別に補強をする必要があった。
一方のJAS39は、通常時離着陸に必要な滑走路の距離は700 mとビゲンよりは長い。しかし自重が約6.5 tと軽量であるため、高速道路を特別に強化する必要はなく、結果的に使用可能な場所が増えることとなった。
JAS39は当初スウェーデン国内のみでの運用を考慮して作られていた。しかし、2002年2月、スウェーデンはそれまでの中立政策を放棄。テロ対策及び欧州での戦争に対して積極的な役割を果たすという新ドクトリンを打ち出している。これを受けて、他国での軍事行動(主にNATO軍との連携)が可能なように、プローブアンドドローグ方式の空中給油装置を装備したJAS39Cも開発されている。JAS39Cは空中給油装置の装備以外にもGPS端末を装備するなど電子機器等各種改良が行われている。
今後の輸出モデルに関しては、 F414に換装、AESA レーダー搭載 コンピュータやアビオニクスの改良。衛星通信能力・改良型データリンク 改良型電子戦機器などの導入があげられている。
前任のビゲンの他国への輸出がゼロだった結果を反省し、JAS39は輸出にも積極的である。同世代の戦闘機に比べ能力的には劣るものの、安価(特に機体の維持整備に関わるコストが安い)で小型軽量多目的戦闘機という特徴を生かし、イギリスのBAEシステムズと提携して、各国の次期主力戦闘機候補として売り込みを行っている。主な取引先は、以下の通り。