ステップワゴン (STEP WGN) は本田技研工業が製造・販売するミニバン型乗用車である。
概要
日本のワンボックス型乗用車の多くが後輪駆動レイアウトを用いていた中、同社のシビックをベースとしたFFレイアウトの箱形ミニバンとして登場。パッケージングの良さと、価格帯の広さから販売面で成功を収め、他社も対抗車種の展開を迫られた。また、初代・二代目は警察の護送用にも使われている。これは、後部スライドドアが一箇所のみで、被疑者が逃走しにくいためといわれている。
歴史
初代(1996-2001年 RF1/2型)
- 1995年
- 東京モーターショーでは「F-MX」として出展。
- 1996年5月8日
- クリエイティブ・ムーバーの一車種として登場。当時、日本のワンボックスワゴンは、商用車ベースで、運転席下にエンジンがある、キャブオーバータイプが多かったが、ステップワゴンはシビックをベースとしたFFレイアウトによる床の低さと、道具に徹したスクエアなスタイル、戦略的な低価格などにより、一気に人気モデルとなった。
- 車名は、極端な割り切りが潔かった同社のステップバンに由来するものであるが、当時、日本では「ミニバン」というまだ用語が定着しておらず、「商用車」を連想させる「バン」を止め、「ステップワゴン」となった。英語表記は「Step WGN」で、「W」、「G」、「N」をそれぞれグレード名とする「お遊び」もあった。
- 家族向けを想定し、子供が車道側へ飛び出すことを防ぐため、スライドドアは助手席側のみの設置となっている。
- 開発時期の関係から、ホンダ自体の収益改善のため、コスト低減に関する施策は徹底され、国土交通省の型式指定を受ける際の費用を抑えるため、エンジンとトランスミッションを一種類づつに絞り、車体設計では、シビックからの足回りの流用、有限要素法解析(FEM)による使用鋼材の削減、パネル分割の工夫による部品点数とプレス型の削減を、従来以上に推し進めた。その他にも、剛性確保のため、右側スライドドアを設けず、フロントドアガラス以外を固定窓にすること、溶接痕の目隠しと、リアコーナー部のシール作業を省略するため、無塗装の太い樹脂モールと、大型リアコンビランプで車体の角を覆うことなど、多岐に及んだ。副産物として、車重も1,410〜1,530kgと、軽量に仕上がった。
- ただし、行過ぎた設計には弊害もあり、当初、車体剛性の低さや、それに起因する、ステアリングコラムとブレーキマスターシリンダー(バルクヘッド部)の取り付け剛性不足、リモートケーブルの剛性不足とフリクションの大きさ、ノブ自体の質量不足による、ATセレクターレバーの操作性(節度感)の悪さなどが指摘された。これらは、構成が近いCR-Vにも当てはまるが、両車とも販売が非常に好調であったため、大幅な設計変更が許され、部分的には改善が施された。
- また、販売面でも、運転席エアバッグやABSすらもオプション扱いにするなど、見掛けの価格を抑える戦略が採られた。そのため、重量区分の関係もあり、エアコンをディーラーオプションとした「N」の価格は、184.8万円と非常に低廉となり、販売店の集客に貢献した。実際のセールスでは(ディーラーでのエアコン取り付け作業を減らすためもあり)「N」を薦めることは無く、「客寄せ」となった「N」の販売比率は、5%前後と非常に低い。
- シート配置は、荷室重視の「N」以外は3列シートが基本で、2列目は、1:2分割の回転対座シートと、3席一体で折りたたみ、荷室を拡大できる「ポップアップシート」の2種類が選べた。「N」は2列シートで、「ポップアップシート」のみとなっている。
- 全てのグレードにFFと4WDの設定があり、シート配置と駆動方式の組み合わせで、「W」と「G」は4車種、「N」は2車種と、非常にシンプルなグレード展開となっていた。
- エンジンは、CR-Vに搭載されているB20B型 2,000cc DOHCのみで、トルク特性はステップワゴン用に低速寄りにチューンされ、出力は125PSに抑えられていた。
- 4WD機構は、通常時はFFで、前輪が空転すると後輪に駆動力が伝わるスタンバイ式で、駆動力の伝達には「デュアルポンプ」が使われている。デュアルポンプ式は「ビスカスカップリング」に比べるとつながりが唐突なため、雪上走行の多いユーザーではこれを嫌う向きもある。
- 1996年11月
- 姉妹車として全長を切り詰めたトールワゴン、S-MXが登場。
- 1999年5月20日
- マイナーチェンジを行い、新たに「スピーディー」、「デラクシー」を追加した。平成12年排出ガス規制に適応するとともに、エンジン出力を135PSに向上した。
- 外観は、ヘッドランプの意匠と、リアナンバープレートの装着位置が、テールゲートからリアバンパーへ変更される。
- 操作系では、ATセレクターがODスイッチ付に変更され、ノブやバランスウェイト質量のチューニングが行われ、操作性、操作感ともに若干の向上が図られる。
2代目(2001-2005年 RF3/4/7/8型)
- 2001年4月5日
- フルモデルチェンジを行い、2代目になる。
- 子供中心の家族を想定したキープコンセプトで、外観にも先代モデルの特徴を多く残している。
- 同クラスのミニバンが、両側スライドドアを採用する中、ステップワゴンは片側スライドドアのままであった。これには子供の事故を防ぐためと、コストを抑えるための2つのメリットがあったが、販売面では苦戦を強いられることになる。他社でも標準となりつつあったオートスライドドアが初設定されている。
- シート配置は3列で、背面をテーブルとして使える2列目「バタフライシート」と、2・3列目のフルフラット化により、「遊(対座モード)」・「食(レストランモード)」・「寝(3列フルフラットモード)」・「積(カーゴモード)」の4つのモードに対応が可能である。
- 燃料給油口は左側から右側に変更された。
- エンジンはK20型 2,000cc DOHC i-VTEC (160PS) となり、運転性と燃費の向上を図る。
- 各部の剛性向上により、操舵性も改善している。
- 販売は順風満帆に思われていたが、好調なミニバン市場故、他社が相次いで投入する新型車と競合する事となり、台数は伸び悩んだ。
- 2003年6月5日
- 販売の梃入れのため、マイナーチェンジでは前後デザインが大幅に変更され、近年のホンダ車に見られる「鋭い目」が採用された。スライドドアの窓はようやくパワーウィンドウが採用される。2列目運転席側の壁にリアエアコンを利用したクーラーボックスが装着された。パワーテールゲートを採用。若者向けの「スパーダ」シリーズを追加し、新たに2,400ccのグレードが追加され、エンジンはアコードワゴン、オデッセイに搭載されているK24型 2,400cc DOHC i-VTEC (162PS) を搭載した。ちなみに、「24L」、「24T」は、排気量が2,000ccを超えるため、「スパーダ」はワイドフェンダー装着で、全幅が1.7mを超えるため、これらのグレードは3ナンバー登録となる。
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3代目(2005年- RG1/2/3/4型)
| ホンダ・ステップワゴン(3代目) |
| 前期型(2005年5月 - 2007年11月) |
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| 後期型(2007年11月 - ) |
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| スパーダ |
| 画像:Honda Stepwgn SPADA.JPG |
| 製造期間 |
2005年 - |
| ボディタイプ |
5ドア ミニバン |
| エンジン |
K20A型 2,000cc DOHC i-VTEC (155PS)
K24A型 2,400cc DOHC i-VTEC (162PS) |
| トランスミッション |
4速AT/5速AT/CVT |
| サスペンション |
前
マクファーソンストラット
後
車軸式 (FF)
ド・ディオン式 (4WD) |
| 駆動方式 |
FF/4WD |
| 全長 |
4,630mm |
| 全幅 |
1,695mm |
| 全高 |
1,770 - 1,785mm |
| ホイールベース |
2,855mm |
| 車両重量 |
1,500 - 1,670kg |
| 乗車定員 |
8/7名 |
| 同クラスの車種 |
トヨタ・ノア
トヨタ・ヴォクシー
日産・セレナ
スズキ・ランディ |
- 2005年5月26日
- 3代目発表。これまでの片側スライドドア、大きな箱というコンセプトを大転換し、両側スライドドアの採用と、初めてのダウンサイジングを敢行した。
- 3代目オデッセイなどと同様に低床化を推し進め、室内の広さを維持したまま、先代より全高を低く抑えた。同時に全長も短縮されており、ほぼ同時期にモデルチェンジした同クラスの日産・セレナがボディサイズを拡大したのとは対照的なモデルチェンジとなった。
- プラットフォームはこれまでのシビックベースから専用設計になり、低床を実現するために薄型の樹脂製燃料タンクやサイレンサーを採用、2代目までダブルウィッシュボーン式だったリアサスペンションは車軸式(FF)又はド・ディオン式 (4WD)になった。
- 搭載するエンジンは、標準車がK20A型 2,000cc (155PS) 、「24Z」にはK24A型 2,400cc (162PS) と先代と同じエンジン型式、排気量となるが、燃費重視の為、2,000ccは出力を5PS下げ、2,400ccのFF車にはCVTが採用された。
- ライバルとの対抗上、これまで助手席側のみであったスライドドアを両側に採用。先代では不評だった2列目シートも作りがしっかりとした物となり、低床化による走行性能の向上だけではなく、ミニバンに求められる快適性も向上した。
- またオプションでは、林テレンプによる、乗用車では珍しい明るい木目調の「フローリングフロア」や、採光目的の半透明ガラスを用いたトップライトルーフが設定される。また、広くなりがちなミニバンのダッシュボード上面をアメニティーに利用、メーターナセルを室内幅いっぱいに伸ばした、デジタルワイドメーターを採用し、大きい三角窓を設け、死角を削減した。
- 3列目シートの収納時の跳ね上げが重く、アシスト機構を組み込んだ同クラスの他社製ミニバンとの比較では弱点となっている。
- 当初は4列シート10人乗りも計画されたが、安全面において問題があったのと車重増加に伴いクラスアップを図らねばならず、同社で生産されているLLクラスミニバンのエリシオンとかぶってしまうために計画は中止された。[要出典]
- なお、「24Z」は排気量が2,400ccであるため3ナンバー登録となる。
- ほぼ同時期にモデルチェンジした日産・セレナとよく比較されるが、現在販売台数ではやや水をあけられている。
- 2006年5月
- 累計国内販売10万台達成。
- 2006年5月18日
- マイナーモデルチェンジを実施。「G・Lパッケージ」と「G・LSパッケージ」には、パワースライドドア(リア両側)が標準装備され、「G」、「G・Sパッケージ」、「24Z」には、パワースライドドア(リア左側)を標準装備しスマートキーシステムをメーカーオプションで設定した。外装は、アークティックブルー・パールを廃止した。
- 2006年10月4日
- Gタイプ特別仕様車として「スタイルエディション」が追加された。
- 2007年2月15日
- マイナーモデルチェンジを実施。全車に2列目シートセンターアームレストを標準装備した。このマイナーモデルチェンジにより、ミラノレッドと、デザートミスト・メタリックのエクステリアカラーが無くなり、シックグレーと、ポップオレンジのインテリアカラーが無くなった。そのほかにも、パワーテールゲートや、チップアップ&スライドシート(回転対座付き)の設定が無くなった。そして、新たに「G・エアロエディション」、「G・HDDナビエアロエディション」、「G・HDDナビスタイルエディション」が追加され、今まで特別仕様車であった「スタイルエディション」が、今回のマイナーチェンジでラインアップ入りした。
- 2007年6月7日
- Gタイプ特別仕様車として「HDDナビスタイルセレクト」と「HDDナビエアロセレクト」が追加された。
- ムーンライズ・メタリックは絶色になった。
- 2007年11月1日
- ビッグマイナーチェンジで、フロントマスクとフロントバンパーのデザイン変更、2代目に設定されていた「スパーダ」が復活し、キャプテンシート仕様も登場した。なお、先代のスパーダは3ナンバーボディなのに対し、現行のそれでは5ナンバーボディとなっている。
- バスクレッド・パール、ポリッシュドメタル・メタリック 、アラバスターシルバー・メタリック、プレミアムホワイト・パール(ワゴン、スパーダ共通色)プレミアムブラキッシュ・パール(スパーダ専用色)ナイトホークブラック・パール、ルミナスブルー・パール(ステップワゴン専用色)がカラーバリエーションになった。
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車名の由来
STEP WGNは、家族みんなで新しい生活を創り出せそうな“予感、気持ち”を表現したもの。新ジャンルとしてのカテゴリーをWGNで表す。
グレード名として使われている「スパーダ」は、イタリア語で剣を表す。
CM
CMソング
キャッチフレーズ
- 子供といっしょにどこいこう?(初代)
- こども、あそぶ、ゆめつくる。(2代目・前期)
- 毎日が、GoodDays!(2代目・後期)
- HOP!STEP WGN(3代目・前期)
- HUG!ミンナをギュッとするクルマへ(3代目・後期)
- SUPER DADDY! SPADA(3代目・後期 スパーダ)
関連項目
外部リンク