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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2007年11月20日 (火) 09:38。)

結婚(けっこん)とは、男女が夫婦になること。また、夫婦間の「継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合[1]」。婚姻ともいう。

※結婚の際の儀式は結婚式を参照。
神道式の結婚式を挙げた新郎新婦
神道式の結婚式を挙げた新郎新婦

目次

概要

結婚の定義はいくつかある。

  • 社会的結びつき
  • 経済的結びつき
  • 人間的結びつき
  • 法的正当性

これらの根底にあるものは「契約」という概念である。親子の関係はタテの関係であり、生まれたら自動的に関係付けが発生し、原則的に一生の間不変である。一方、結婚というのはが結びつくヨコの関係であるとされる。一般的に血縁関係にない男女であるので、結び付きは契約的になる。したがって、結婚の解消というものがあり、これを離婚という。ただし、一部の国または地域では、男性同士や女性同士の同性結婚も法的に認められている。

結婚は必ずしも同居を伴わず、単身赴任等で離れて暮らしていても婚姻関係は成立する。つまり親族以外の両性の心理的経済的繋がりが婚姻状態であると言える。また、内縁関係であっても、実際に夫婦関係が構築されているのであれば、結婚と同様に扱われるケースがある。

日本においては、婚姻届を出し戸籍に記載される婚姻(”籍を入れる”)を結婚と定義することもある。

日本の正式婚の数は、1978年以降、現在に至るまで年間70万件台を維持している。(出典:『現代用語の基礎知識』(自由国民社)

結婚制度

日本の法制度

日本法民法)は、婚姻の成立に法律上の手続を要求する法律婚主義を採用している(第739条)。実質的要件として、当事者に婚姻の合意があること、当事者が婚姻適齢にあること、当事者間に一定の人的関係がないことなどが必要とされる。形式的要件として、戸籍法に基づく届出が必要とされる。

日本における婚姻適齢は男性は18歳以上、女性は16歳以上である。未成年の結婚には片親の承諾が必要になる。親が一度承諾したら、未成年であっても再婚時の承諾は必要がない。ただし、未成年者(婚姻適正年齢外)であるからといって結婚をする約束(婚約)は無効にはならないという判例もあるため、高校生同士が結婚の約束をしていたことが証明されるにいたった場合には法的効力をもつ婚約としてみなされるのである。

婚姻の成立

  • 婚姻適齢(第731条
    • 男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、婚姻をすることができない。
  • 重婚の禁止(第732条
  • 再婚禁止期間(第733条
  • 近親者間の婚姻の禁止(第734条
  • 直系姻族間の婚姻の禁止(第735条
  • 養親子等の間の婚姻の禁止(736条
  • 未成年者の婚姻(第737条
    • 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。この同意は、婚姻届の受理の用件で取消原因ではない。
    • 《改正》平16法1472 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。
  • 婚姻の方式(第739条
  • 外国に在る日本人間の婚姻の方式(第741条
  • 婚姻取消事由及び取消権者(第744条
  • 婚姻の取消しの効力(第748条

婚姻の効力

夫婦財産制

婚姻によって夫婦間に生じる財産関係、すなわち夫婦の財産の帰属・管理および生活費の負担などを規律する制度。第756条以下により、婚姻届出前に契約によって定めることが認められている(契約財産制)。契約がない場合は法定財産制に従う(第755条)。

法定財産制
法定財産制として、夫婦の財産を共有する共有制、各自が財産を所有する別産制などがあるが、日本では別産制を採用している。米国では州によって異なり、たとえばカリフォルニア州では共有制を採用している。
婚姻費用の分担(第760条
婚姻生活の費用は、夫婦の「資産、収入その他一切の事情を考慮して」分担する。
日常家事による債務の連帯責任(第761条
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告して責任を免れることも出来る。
夫婦間における財産の帰属(第762条
夫婦の一方が婚姻前から有する財産および婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(単独所有)となる(その管理も各自行うこととなる)。夫婦のどちらに属するか明らかでない財産は共有と推定する。

離婚

夫婦間の婚姻状態を解消することを、離婚という。詳細は離婚を参照されたい。

結婚制度の形態

  • 一夫一婦制
    • 一人の男性に対して、一人の女性という結婚形態。近代国家はほぼこの婚姻制度を採用している。近代以前はしばしば妻のみに貞操義務を要求されたが、欧米信奉と内面化されたオリエンタリズムのゆえに、「戦前の日本で貞操を要求されたのは夫だけであった」などと短絡した主張がなされることがある。
  • 一夫多妻制
    • 一人の男性が複数の女性と婚姻関係を持ってよい形態。中東のイスラム社会などに認められる。また、アメリカ合衆国モルモン教徒もかつては、一夫多妻制を採用していた。ただしこの制度を採用している地域の男性住民のすべてが複数の妻を持っているわけではない。イスラム教の一夫多妻制は、聖戦によって男性が戦死する可能性が高かったため、未亡人や遺児の生活を保障するために始められたとされる。複数の妻が持てるのは経済的な余裕のある男性に限られる。現代中東における一夫多妻制は男尊女卑とされることがあるが、このような批判が白人による性差別を隠蔽する口実となっていることにも注意すべきである。
  • 一妻多夫制
    • 一人の女性が複数の男性と婚姻関係を持つ形態。現在この結婚制度を正式に法的に採用している国はないが、チベットなどで妻が複数の兄弟を夫とする慣習がある。
  • 集団婚
    • 互いに特定の相手を定めない婚姻形態。19世紀の学問では、私有財産制度が発生する前の原始社会では広く行われていたと考えられていたが、最近の文化人類学考古学の知見からは、その存在が疑問視されている。
  • 同性結婚

その他の結婚

  • 近親婚:血の近い者同士が婚姻関係を結ぶこと
    • 交叉いとこ婚
  • 事実婚(内縁):婚姻届の提出など、制度上正式な婚姻とするためのことをしないものの、同居する、経済基盤を共にするなど結婚しているのと同様の関係を指す。
  • 重婚:一夫一婦制の社会で、既に配偶者が居るのに他の者とも結婚すること。
  • 通い婚:男が女の元に、あるいは女が男の元に通う形態。夫が妻の元に通う場合は妻問婚(つまどいこん)とも言う。源氏物語に見られるように、かつての日本でも見られた形態である。

宗教における婚姻

キリスト教における婚姻

  • カトリック教会および正教会では秘跡機密として扱われる。正教会では婚配機密といい、機密である為信徒同士でのみ行われる。カトリック教会では、配偶者が生存中の再婚は認められていない。正教会では離婚は神品職を解かれるほどの重い罪である。それでも配偶者の生存の如何には関係なく三回の再婚が認められる場合もある。
  • プロテスタントでは(特にバプテスト会衆派)、会衆(教会員・信者)の同意により、神の導きと見なし結婚が成立する。そのため結婚式は比較的オープンである。夫婦片方が信者の場合、結婚式は教会関係、披露宴は友達・友人と使い分けをする場合も多い。両方が信者の場合結婚式に引き続き披露宴(祝会といった方が正しい)を行う場合も有るが、近年は減ってきている。このため比較的密会が多い他の宗教・宗派と比べ、結婚式の出席者が多い。時には披露宴の出席者を超える場合もある。比較的離婚には、柔軟である(というより、人によって考え方がバラバラである)。

日本の未婚化・晩婚化

平均結婚年齢は年々上昇し、未婚率も上昇しており、非婚化晩婚化が進んでいる。

要因として、一般的には女性の高学歴化や社会進出(賃金労働者化)などが言われている。山田昌弘は、「男性の収入の不安定化」「女性の専業主婦志望」をあげている[2]

男性の収入の不安定化

男性は収入が低く、将来の見通しが不安定だと、結婚率が低くなる(女性の場合は、年収と結婚率に相関関係はみられない)[3]。この現象は、1980年代から零細農家や小規模商店の男性が結婚できないという形で徐々に現れていたが、政府・自治体やマスコミでは「低収入の男性を差別することになる」としてタブー視され、触れられなかった[2]

1990年代までは、大多数の男性は年功序列制度により、若い間は収入が低くても将来収入が増える見通しがあり、収入及び将来が不安視されることはなかった。だが、1990年代に入り、ニューエコノミーへの転換、グローバル化の進展に伴い社会構造が変化した結果、少数の正社員と多数の非正社員が必要な状況へと変わっていった。この結果、多数の男性がフリーターなどの収入が低く、将来の見通しが不安定な状態になり(またそこから抜け出すことができず)、結婚しづらい状況となった[2]

女性の専業主婦志望

専業主婦を志望する女性も多く[4]、そのため男性の収入が低く、将来の見通しが不安定だと結婚相手として認識しづらくなる。ただし、女性の専業主婦志望は、フェミニスト、反フェミニスト双方にとって都合が悪く、双方から圧力がかかるため、要因として挙げづらいという[2]

  • フェミニスト側:「女性が(仕事など)社会で活躍できる機会を求める」という立場を取っているため、女性自らが仕事を辞め主婦になることを望んでいるということになると「活躍できる機会を求める」必要が無くなってしまう
  • 反フェミニスト側:「女性が社会進出した結果、未婚化、少子化が進んでいる」という立場を取っているため、実は女性が社会進出をそんなに望んでいないとなれば、自分たちは見当外れのことを言っていたことになり、振り上げた拳を降ろす先が無くなってしまう

「結婚後も面白い、やりがいのある仕事を続けたい女性はいる」という反論もあるが、上述したように社会の構造が少数の正社員と多数の非正社員が必要な状況へと変化しており、定型的、単純な作業をしている多数の非正社員は、「面白く、やりがいのある仕事」をしておらず、結婚を機に専業主婦になりたい人の方が多い[2]

ただし、「専業主婦となっても生活水準を維持できるだけの収入がある男性」は少なく、低収入の男性が結婚相手として選んでもらえないという言い方をするならば、専業主婦となることを望む女性もまた、高収入の男性に選ばれる立場にあるという言い方ができる[2]

親への肯定感の欠如

日本では、婚外で子をもうけることへの抵抗感が根強く、結婚は子供を生むための前提として考えられる傾向がある。結婚や子供を作ることを志向する独身者は、自分の親に対する尊敬の念があり、親への肯定感が強い。逆に親への否定感が強いと結婚を忌避する傾向がある。

日本の平均初婚年齢の推移

(厚生労働省統計情報部『人口動態統計』より)

男性(才) 女性(才)
1950年昭和25年) 25.9 23.0
1960年(昭和35年) 27.2 24.4
1970年(昭和45年) 26.9 24.2
1980年(昭和55年) 27.8 25.2
1985年(昭和60年) 28.2 25.5
1990年平成2年) 28.4 25.9
1995年(平成7年) 28.5 26.3
2000年(平成12年) 28.8 27.0
2005年(平成17年) 29.8 28.0

表現に関して

結婚することを俗に「籍を入れる」と言ったり、特にマスコミなどでは「入籍」と表現する場合があるが、この意味での「入籍」は、戸籍法上の「入籍」とは意味が異なる。俗に言われる「籍を入れる」・「入籍」は、単に「婚姻届を提出することで、が同じ籍になる」という意味である。なお、まれに「婚姻届」ということを、「入籍届」と表現されることがあるが、入籍届は離婚時に子が別の(基本的には非筆頭者側の)戸籍に入るための届出書であり、婚姻届とは全くの別物である。

これに対し戸籍法上の「入籍」とは、既にある戸籍の一員になることである。既にある戸籍とは筆頭者が存在する戸籍であり、これに入るには筆頭者の配偶者になるか、子(養子含む)として戸籍に加えられるしかない。結婚は、戸籍法上では初婚の場合(分籍をしていなければ)、婚姻届が受理されることにより、元々お互いが入っていた親の戸籍から離れて新しく戸籍が作られ、そこに2人が構成される。その為、このケースでは戸籍法上の「入籍」とは言わない。ただし、離婚や分籍の前歴があれば当人が筆頭者であるため、その戸籍に配偶者を迎え入れればこれは戸籍法上の「入籍」と呼ぶことも出来るが、一般的ではない。


関連項目

参考文献

  • ゼクシィ編集部『結婚準備きちんとブック』メディアファクトリー、2002年4月 ISBN 4840105634
  • 「いちばんシアワセ」作成委員会『人もうらやむ結婚大成功マニュアル―婚約・挙式・披露宴・二次会・ハネムーンから新生活まで幸せになるためのけっこん最低「予備」知識』双葉社 2002年11月、ISBN 4575712280
  • 加藤秀一『恋愛結婚は何をもたらしたか』 ちくま新書 筑摩書房 ISBN 4480061878
  • ジョン・R・ギリス 北本正章 訳『結婚観の歴史人類学』勁草書房 ISBN 4326601922

外部リンク

脚注

  1. ^ 婚姻  広辞苑
  2. ^ a b c d e f 『新平等社会』著:山田昌弘 文藝春秋 2006年9月
  3. ^労働政策研究報告書No.35「若者就業支援の現状と課題―イギリスにおける支援の展開と日本の若者の実態分析から―)」独立行政法人労働政策研究・研修機構
  4. ^下流社会』著:三浦展 光文社 2005年9月
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