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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2007年10月15日 (月) 10:16。)
製造された医薬品の例(錠剤)
製造された医薬品の例(錠剤)
手作業で製造された医薬品
手作業で製造された医薬品

製薬せいやく)とは、薬品、特に医薬品を製造することである。化学工業と関連性がある。

その企業は、製薬会社と呼ばれる。 製薬会社は研究開発の視点から従業員数が多く、新薬開発には莫大な費用が必要とされるため、製薬企業は大規模な企業であることが多い。近年はバイオテクノロジー(生物工学)を応用した創薬に力を入れている企業も多い。

製薬は医療と密接に関わり、世界的な高齢化及び人口増加により医薬品の需要が高まっている。世界の医薬品市場規模は約80兆円(2006年)といわれている。

なお、日本の医薬品市場規模は7兆円(2004年)といわれている。

日本薬事法上は、医薬品製造業に分類され、医薬品の製造にあたっては医薬品製造業の許可が必要である。また、製造した医薬品を上市する際には医薬品製造販売業の許可が必要である。韓国でも薬事法によって製造業許可が必要とされている。

目次

産業特色

製薬産業は、主に次の4つの特徴を持つ。

  • 生命に密接に関連した産業であること。
  • 多種品目・少量生産の産業であること。
  • 研究開発指向の産業であること。
  • 付加価値の高い知識集約型の産業であること。

産業の特徴は上記以外にも様々な意見があるが、製薬が病気を治し、生命を救う意義を持つことが第一義である。 20世紀において、人類を最も幸せにしたものは医薬品(特に抗生物質)であると言われており、今後ますますその重要性は高まっていくと思われる。

社会への貢献

製薬産業は、病気治療、生命維持、QOLの向上といった面で大きな役割を果たして来ている。

具体的には、

  • 治療方法のなかった病気や難病の治療法を確立したこと
結核天然痘などの感染症、骨髄移植臓器移植など
  • 病気の予防
各種予防接種小児麻痺など
  • 重症患者の生命維持
生命維持装置、完全栄養補給など
  • 症状のコントロールを可能にしたこと
糖尿病高血圧症高脂血症など

等で社会的に貢献しており、今後も難病といわれる悪性腫瘍や中枢神経系の疾患、アレルギー症状などにおいて、治療法や予防法を確立することが期待されている。

製薬企業の規模

製薬を担う日本の製薬企業の売上げ規模は、世界的な企業と比較して相対的に低い水準にとどまっている。 たとえば、国内最大の売上げを誇る武田薬品工業は、世界規模ではトップ10にも入れていないのが実情である。 これは日本の製薬企業数が2000社を超えており、裾野が広いために売上げの上位集中度が低くなっていることが原因とされているが、外資系メーカーの国内進出が活発であることから、今後内資系メーカーの国際競争力や資本強化が急務とされている。

製薬の研究開発

製薬を行うには莫大な研究開発費用が必要とされる。

新薬を研究開発し、発売するために必要なコストは数百億円ともいわれるが、発売されるまでに安全性や有効性、品質に対する検査が行われるため、製品化されないものも多い。 そのため、製薬業界の対売上高研究開発比率は全産業中最も高く、全産業の平均が3%なのに対して、製薬業界では8%を超える。 このことは製薬業界の研究開発指向を示唆するが、反面、充分な研究開発を行うためはそれに見合う利益率を確保する事が重要となっており、製薬業界の利益率は他産業と比較して総じて高い水準となっている。

このことに関しては医薬品後発医薬品の項目も参照されたし。

製薬の現状

これまでの製薬の特徴は有機合成や発酵、動植物からの抽出などによって得られた物質を分析、研究して新薬の元となる成分を探して来ることであったが、この方法では新薬創出には限界があることは以前から指摘されていた。 そのため、現在ではゲノムプロジェクト等によって解析されたヒトの遺伝子情報を元に、バイオテクノロジーを応用して新薬を研究、開発することが主流となっている。

また、これらの遺伝子情報は、遺伝子治療や再生医療といった新たな分野の医療にも役立つと考えられており、現在は既に実用段階の治療方法も確立されつつある。

詳しくは遺伝子治療再生医学創薬を参照。

大手製薬企業

いずれも売上高の多い順。

世界6大

日本国内三大

以下二社を加えて五大とする場合もある。

世界売上高ランキング

データはユートブレーンLLC合同会社(UTOBRAIN公式)の発表に基づく。上位30社まで。


2006年度医薬品メーカーランキング
順位 メーカー名 本社所属国 売上高(百万ドル)
1 ファイザー アメリカ 45,083
2 グラクソ・スミスクライン イギリス 39,335
3 サノファ・アベンティス フランス 37,461
4 ノバルティス スイス 29,491
5 ロシュ スイス 27,318
6 アストラゼネカ イギリス 25,741
7 ジョンソンエンドジョンソン アメリカ 23,267
8 メルク&Co. アメリカ 22,636
9 ワイス アメリカ 16,884
10 イーライ・リリー アメリカ 14,816
11 アムジェン アメリカ 14,268
12 ブリストルマイヤーズスクイブ アメリカ 13,861
13 アボット・ラボラトリーズ アメリカ 12,395
14 ベーリンガー・インゲルハイム ドイツ 11,637
15 バイエル・シェーリングファーマ ドイツ 9,873
16 武田薬品工業 日本 9,613
17 ジェネンテック アメリカ 9,284
18 シェリング・プラウ* アメリカ 8,561
19 テバ製薬工業 イスラエル 8,408
20 アステラス製薬 日本 7,717
21 ノボ・ノルディスク デンマーク 6,858
22 第一三共 日本 6,482
23 エーザイ* 日本 5,486
24 メルクKGaA* ドイツ 4,913
25 大塚製薬 日本 4,840
26 バクスター・インターナショナル アメリカ 4,520
27 ニコメッド・アルタナ デンマーク 4,481
28 セルビエ(概数) フランス 4,291
29 メルク・シェリングプラウ製薬 アメリカ 3,884
30 アクゾノーベル(オルガノン) オランダ 3,447

エーザイはOTC売上げを含む。シェリングプラウとの売上げ高にはオルガノンは含まず。シェリングプラウ+オルガノンの場合は14位。メルクKGaAはセローノの売上げは含まず。メルクKGaA+セローノの場合は20位。

参考

関連項目

関連リンク

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