| この項目は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
違法性(いほうせい)とは、形式的には、法規範に反している性質をいう。
目次 |
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| 日本の刑法 |
|---|
| 刑事法 |
| 刑法 |
| 刑法学 犯罪 刑罰 罪刑法定主義 |
| 犯罪論 |
| 構成要件 実行行為 不作為犯 間接正犯 未遂 既遂 中止犯 不能犯 相当因果関係 違法性 違法性阻却事由 正当行為 正当防衛 緊急避難 責任 責任主義 責任能力 心神喪失 心神耗弱 故意 故意犯 錯誤 過失 過失犯 期待可能性 誤想防衛 過剰防衛 共犯 正犯 共同正犯 共謀共同正犯 教唆犯 幇助犯 |
| 罪数 |
| 観念的競合 牽連犯 併合罪 |
| 刑罰論 |
| 死刑 懲役 禁錮 罰金 拘留 科料 没収 法定刑 処断刑 宣告刑 自首 酌量減軽 執行猶予 |
| 刑事訴訟法 刑事政策 |
他の法令に違反する行為でも、それが刑法的にも違法と評価されるかはまた別問題である(通説)。
刑法上の違法性の理解について,かつては客観的違法論と主観的違法論の対立があったが,現在では客観的違法論でほぼ争いはない。すなわち,刑法規範は評価規範と決定規範の2つの側面を有し,評価規範違背が違法であり,決定規範違背が責任であるとするものである。 それを前提としつつ,違法性の本質について、法益侵害説(結果無価値論)と規範違反説(行為無価値論)の対立がある。
結果無価値論とは、違法性の本質を、結果無価値(Erfolgsunwert)、すなわち、行為によって惹起された結果への(言い換えれば、事後的な)否定的評価であるとする見解であり、違法性の本質を法益の侵害及び危殆化と理解する法益侵害説と同視される。例えば殺人罪についてみれば、既遂の場合は人の死という結果、未遂の場合は人の死という既遂結果惹起の危険という結果を生じさせることが違法であると考える。
行為無価値論とは、違法性の本質を、行為無価値(Handlungsunwert)、すなわち、結果とは切り離された狭義の行為(Handlung)それ自体への(言い換えれば、行為時の)否定的評価であると理解する見解であり、違法性の本質を行為の反規範性と理解する規範違反説と同視される。例えば殺人未遂罪についてみれば、人を殺しかねないような行為の悪性(殺意とその行為態様)が違法性を基礎づけると考える。
もっとも、日本で行為無価値論と呼ばれている見解はほとんど全てが結果無価値と行為無価値の両方を違法性の本質として承認するもの(折衷的行為無価値論、二元的行為無価値論)であり、かつてドイツにおいて通説的地位を占めた一元的行為無価値論とは異なる。
伝統的にも現在においても、日本の判例実務は行為無価値論的な立場を採っているとされる。
学界においてはかつてはリーガルモラリズムと結びついた行為無価値論が通説であったが、近時は結果無価値論が非常に有力である。もっとも,リーガルモラリズムと決別した行為無価値論もまた有力である。かつては両説の対立は法益保護主義とリーガルモラリズムの対立として捉えられていたが、現在ではこの対立とは区別されて理解されている。
なお、日本刑法に大きな影響を与えてきたドイツ刑法は行為無価値論をその理論的前提としているとされる。
また具体的な事例の解釈においてはそれほどの差は生じないことにも留意する必要がある。若干行為無価値論のほうが処罰を広く行う傾向があるが、おおむね結論に差は生じない。
不法行為の成立要件について、違法性が含まれるかどうかが問題になる。含まれると考えるのが通説であるが、過失の要件に解消すべきとする有力説も存在する。判例上は、違法性阻却事由がない場合に「違法性がある」という表現が用いられている。
履行遅滞責任を論じる際に、履行をしないことを正当化する違法性阻却事由(同時履行の抗弁権など。)がないことをもって「違法性がある」と表現することがある。