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金型

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2007年10月15日 (月) 17:55。)

金型(かながた、die)とは、工業製品やそのパーツをプレス加工や射出成型などにより製造する場合ののことであり、通常は金属製であるが、金属製でないものも金型と呼ばれる。金型内で塑性加工を行う主要部品では、金属に変わってセラミックスなどが使用されるケースも最近では多いが、ボリュームとしてみるとやはり圧倒的に工具鋼の使用量が多い。元々は、鋳造でも使われる母型(おもがた)と用語において、砂製を砂型、金属製を金型と呼び習わしたことが語源と考えられる。

目次

概要

金型は、製造業において製品などのスタイルの良否や、製品の品質を決定する重要な資産であるため、その製作に当たっては、通常多くの時間とコストがかけられている。自社で製作する場合と、専門の会社に製作を依頼することもある。特に精密部品などの金型については、マイクロメートル単位の正確さが求められる。

金型の部品を構成するスタンダードな材質は鋳鉄と、モリブデンタングステン等で構成されているダイス鋼(高合金工具鋼)である。冷間鍛造のパンチなどには高速度工具鋼超硬合金も多用される。鉄の殆どは焼き入れ加工を施すため、加工製品のモデルチェンジなどの際の改造に多くのコストを要するケースが多との意見もあるが、切削加工不能な超硬合金よりもコストが低く、形状の複雑さが増すにしたがってその差は開いてゆく。そのためプリハードン鋼と呼ばれ、焼き入れ不要で、ある程度硬度を持ちながら切削加工が可能な材料を使用する事があるが、これは、安易であるが鋼の特質を上手に利用しているやり方とは言えず、結果的にコスト高を招いている例が散見される。

金型は使用に伴って摩滅、変形、減耗する。これらの問題は永遠のテーマとなっている。そのため成形によって金型の表面損傷が考えられる場合はあらかじめ硬質クロムめっきPVD皮膜処理、CVD(Tic)皮膜処理、TD処理など様々な表面処理が施される。最近では前述の様にセラミックを使用する事により耐摩耗を改善する努力がされている。しかしセラミックでは硬度が高すぎて、実際に塑性加工する材料によっては破損の危険が高い。


かつて、精密金型製造は日本のお家芸であったが、一時はコスト削減を目的に海外への製造委託が増加し空洞化と騒がれたが、現在は日本主導の戦略的な技術移管、棲み分け、技術開発を通じ沈静化してきている。しかしながら金型職人の高齢化、後継者不足が次なる問題として取り上げられつつある。更には最大の競争相手に成長しつつある中国は日本製NC加工機械の導入や日本の金型職人による技術指導を通じ、日本的ものづくり文化の影響が拡大して競争力が高まっているのに対し、国内の金型メーカーの9割は20人以下の中小企業で設備面、人材面でも将来不安を抱えており、長期的には楽観できない状況にある。金型産業という名前を出現させた世界初の工業国家として、それを構成する中小企業のゲリラ的機敏性や高い目標にたいする自己組織化性のなかで展開されている職人的開発力をどう欧米的な金融経済の論理と折り合いをつけるのかが「ものづくり革命」の課題として議論が高まっている。

金型の種類

金型の種類は、大きく分けて2種類存在する。成形荷重が高い金属加工を目的としたDieと、鋳造もしくは樹脂成形を目的とした比較的成形荷重が低いMoldであるが欧米的定義であり金型と工具の違いを理解出来ない欠点がある分類である。また、型を閉じて中に原材料を封入する密閉型と、材料を上型下型で挟み込む開放型に分けられる。

プレス金型

順送型金型の例
順送型金型の例

開放型。主に自動車部品、家電部品の加工で使われる。大きく単型(1金型1工程)、順送型(1金型複数工程)に分かれ、ほぼ均一な厚みのものを加工するのに適している。金型内で金属材料(多くはフープ材と呼ばれる金属の板をコイル状にまとめた物)を抜き、曲げの処理を行い、ほぼそのまま組み付け可能な部品を製造する。後工程としては必要に応じ、バリ取りや表面処理(メッキ、塗装など)。

主にアルミニウムを加工するが、樹脂シートの加工用金型もこれに含まれる場合もあり。

プレス金型はさらに以下のような小分類に分けられる。

  • 絞り型
  • 曲げ型
  • 抜き型
  • 寄曲型

鍛造

開放型、または、密閉型。エンジンコネクティングロッド(コンロッド)など肉厚が厚く、かつ強度が必要な製品の加工に適している。金型内の金属材料に高い圧力を加えることによる塑性変形により形状を作る。金型による材料拘束の度合いにより、開放型、半密閉型、密閉型に大別される。後者になるほど、バリの排出量が少なく(歩留まりが高い)仕上げ加工が少なくなるが、鍛造時の加工力は大きくなるため、金型に掛かる負荷は増大する。前出のような自動車部品の製造においては、数工程に分けて基材料を徐々に製品寸法に加工するのが一般的で、その工程の目的に応じて、ロール型、つぶし型、粗成形型、仕上げ型、ピアス型、トリム型などの言い分けも用いられている。 加工時の材料や金型温度により、冷間鍛造、熱間鍛造などの加工種類が存在する。一般的に、熱間に比べると冷間時の材料変形能は極端に小さいため、大きな加工力が必要で、金型が受ける荷重も大きい。 鍛造後は工作機械で仕上げ加工を行う場合が特に熱間鍛造では頻度が多くなる。

鋳造

密閉型、または、開放型。溶融させた金属(溶湯(ようとう))を直接金型に注ぎ込んで鋳造を行う金型鋳造型と、溶湯を注ぎ込むための鋳型を成型するための鋳型造型型に大別される。前者では、ダイカスト(die casting)型、後者では生砂型がその代表例。自動車などのエンジンブロック、シリンダヘッド、ミッションケースなど、成形自由度が高く、適用範囲は膨大である。湯口と呼ばれる開口部から溶融させたアルミニウムを流し込み成型を行う。ほとんどの場合、凝固に伴う精度誤差や鋳肌の荒れなどで鋳造後に工作機械で後加工を行う。

射出成形

密閉型。プラモデル携帯電話の外装など、多くのプラスチック製品の作成で用いられている。金型を射出成形機にセットし、射出成形機により、型締め、プラスチック材料の溶融、閉じた金型の空洞部に対しての加圧注入、冷却を行うことにより形状を作る。

ブロー成形型

密閉型。空気などのガスを原材料に噴きつけて金型に押し付け、製品を作るための金型。プラスチック製品やペットボトル、ガラス瓶などの加工で用いられる。

圧縮成形型

密閉型。自動車のタイヤなど、型に材料を入れた後、型で押し込んで製品を作るための金型。

真空成形型

半密閉型。卵パック、プラスチック容器など、温めたシート状の材料を型にセットし、型に空けた無数の穴から中の空気を抜き、 大気圧で型に押し付け製品を作るための金型。

押出金型

半開放型。窓枠、サッシのレールなどの長尺物の成形を行う。アルミやプラスチックなどの母材を目的形状の断面を持つダイに対し押し付け、均一断面の長尺製品を作成する。この分野は、1995年以降ほとんど技術の高度化は見られていない。

金型の管理

金型は、製造業者が自社工場で使用する場合のほかに、外注工場に貸し出しを行うこともある。この金型を、発注者からみて、預け金型と呼び、金型台帳などで管理する。量産に使用する金型は通常、普通の加工設備と同様に固定資産として管理される。

また、コスト削減などの要因により、海外に無償で金型を提供し、それを用いて作った製品を輸入する例も多くなっているが、その場合、商品輸入時には税関に、輸入商品の代金に金型代金を加算して申告する必要がある。金型の有無によって、製造コストが大きく変わるため、正しい課税ができなくなるためである。

関連項目

外部リンク

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