陰謀論(いんぼうろん)または陰謀説(いんぼうせつ)とは、
とする考え、もしくは考え方である。陰謀論に基づいて世界史を解釈することを、陰謀史観と呼ぶ。
陰謀論は一般に、強い権力をもつ者(一国もしくは複数の国の政府、警察、軍隊、あるいは巨大資本など)が一定の意図を持って一般人の見えないところで事象を操作している、とする主張である。具体的には、「政府は国民に秘密で何事かを行っている」、「世界や国家は何らかの団体にコントロールされている」、「ある戦争や事件は通説とは別の理由で起こったものだ」などが代表的なものである。
通説の多くは、検証により棄却されない仮説を消極的に採るという行為の積み重ねにより信頼性の高まった仮説であるのに対して、陰謀論の多くは、検証により棄却されない仮説を、積極的に採ることからなる仮説である。つまり、陰謀論は疑いを捨てられない状況において疑いを支持することにより発生する。このため陰謀論は通説と比較して信頼性が低いことが多く、また誤解、誤解釈を含むことも多い。反証テスト、検証と反証の非対称性、詭弁を参照して下さい。
多くの棄却されない仮説から生じている陰謀論は、通説に応する異論のひとつに含まれる。
検証を経ることで、事実や通説として認識されることとなる仮説もある。陰謀論#事実だった「陰謀論」を参照して下さい。
いくつかの陰謀論は、結論が検証に優先している。ある陰謀論は、客観性や整合性にかけている。これらは、学問や研究においてみられる、仮説と検証における一般的性質であるが、陰謀論においては、よりおびただしくなることがある。
陰謀論の支持者たちは検証により棄却された仮説であっても検証に捏造された資料が関係しており、棄却とは認められずそして仮説を積極的に採ると主張する。
陰謀論には循環論法を利用しているものもある。詭弁#循環論証(circular reasoning)を参照して下さい。
陰謀論という表現は、それを唱える者にとっての信念を、脆弱な仮説として規定するため、唱える側の立場の人たちが積極的に使うことは少ない。
陰謀論の説明対象は幅広いが、陰謀論の頻発する分野は、ある程度限られている。通説をさまざまな角度から否定しようという努力がなされると、科学、政治、歴史など、分野をまたいだ陰謀論へ発展する。また、ユダヤ陰謀論とフリーメーソン陰謀論のように陰謀論同士で密接なかかわりがあったり、または混同される場合もある
ある陰謀論の発生は妄想と関連している。事故天災、あるいは戦争やテロにおいては、政府が不適切な処理を続けている(ように見える)例は数多い。精神医学では、そのような状況においては、不適切な処理の理由については、不明であるという説明より、政府による何らかの意図が関連しているという説明の方が、不確実性により生じる不安は薄れるとされている。[要出典]
陰謀論は、ある事件に対する政府の対応や説明における「不可解な部分」それを説明するものとなる。事件が有名であり、不可解な部分が多いほど、陰謀論は活発に展開される。日本航空123便墜落事故の陰謀説やジョン・F・ケネディ暗殺に関する陰謀説など。
ある団体や個人に対する激しい侮辱や攻撃、人種差別や思想弾圧の背景・動機となる陰謀論もある。例えばシオン賢者の議定書に基づくナチスのホロコーストなどのユダヤ人迫害など。
悪意を持って発生する陰謀論もある。例えばユダヤ陰謀論は反ユダヤ主義から発生している。
ある組織(あるいは対立する複数の組織)にとって不都合な真実が明るみに出た場合、陰謀論にて説明されることがある。このような事例では「この事件はCIAの陰謀である」という噂に対して「その噂はKGBが流布しているものだ」という対抗神話が出現し陰謀論による応酬が展開されることもある。実際に起こった例としては大韓航空機爆破事件における、韓国側の主張した「北朝鮮による爆破」説と北朝鮮側が主張した「韓国による自作自演」説など。
犯罪の隠蔽のために陰謀論が主張されることもある。オウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害事件では「我々を陥れるために公安(あるいは他の宗教団体)が仕組んだもの」などと主張した。
陰謀論は疑似科学(常温核融合や反相対性理論など)や宇宙人、心霊現象、超能力といったオカルトの他分野と密接にかかわる場合もある。学会やマスコミなどに自説が認められない場合、陰謀論はその理由を説明する道具となることがある。偽史(超古代文明、宇宙考古学、古史古伝など)が認められないことの説明に陰謀論が利用されることもある。
喫煙推進派は喫煙の害について、資料や学術雑誌での議論に基づき、賛否両論があるとして、禁煙運動派はタバコの害を強調しているという陰謀論を主張することがある。このような主張は、実際に公衆衛生に実害をもたらす可能性が考えられる。
ある陰謀論は、通説などを、心情的に否定するために持ち出される。
陰謀論は噂や都市伝説の背景を記述する。また流行や風俗・文化などにおいても陰謀論が語られることがある。このような陰謀論は、誤解、噂、ジョークとして扱われる。3S政策やウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムは日本を骨抜きにするためのアメリカの陰謀、ルービックキューブやテトリスの開発は西側の生産力を低下させるためのソ連の陰謀である、外国産のタバコや清涼飲料水には男性の精力を減退させる成分が含まれており、私たちの国家や民族を衰退させようとしている、など。
陰謀論は(前述の諸性質もあって)信仰や思想、価値観や主義、主張、体制と反体制、マイノリティとマジョリティなどいかなるスタンスとも結びつきうる概念であり、しばしばそれらがが生じた理由を説明する。
地球には既に知的な宇宙人が到来しており、政府などが秘密裏に接触しているとする説。もしくは裏から地球人を支配しているとする説。もっとも著名なものに、ネバダ州にあるアメリカ空軍の実験施設で、ステルス戦闘機(F-117)の開発施設でもあるエリア51に関わるものがあり、多数の観光客が訪れる有名な観光名所となっている。「NASAは宇宙人の存在を隠している」と主張されることもある。
グレイ、アトラン人、ニャントロ人など具体的な名前があげられることもある。
石工ギルドから発展した自由・博愛・平等をうたう親睦団体フリーメイソンの会員は、フランス革命やアメリカ独立戦争、ロシア革命など市民革命に関わっている。このことからナチス・ドイツ、大日本帝国など独裁国家に対して戦争をしかけるなどの政治権力も操っていたとする考え。フリーメイソンのメンバーには地位の高い者が多く、イギリス王室をはじめフランス革命やアメリカ独立戦争の主要人物や中国の著名政治家の多くが加入していたこともあり、人気の高い陰謀論である。なお、シンボルマークはコンパスと三角定規である。このような場合、フリーメイソンはしばしば後述のユダヤ人社会や、過去に存在したドイツの秘密結社イルミナティと混同あるいは同一視される。なお、陰謀論におけるフリーメーソンの位置づけは、イルミナティという巨大組織の一部であるという考えるべきある。また、フリーメーソンの期限についてはさまざまな諸説があり、数千年以上前の古代ギリシャ文明において、すでにその組織の存在が認められているとする研究報告もある。しかしながら、フリーメーソンが徹底した秘密主義のため、実際にどこまでが本当なのか不明であり、出版されているフリーメーソンに関係したいわゆる暴露本を安易に鵜呑みにすることはできない。
この種の陰謀論(特定の黒幕が政治や歴史を操っている)の中には既存の民主主義自体を陰謀の手段とみなし、否定するパターンも存在する。
ユダヤ人が秘密結社を通じて手を結び、世界経済に影響を及ぼしているとするもの。日本のユダヤ陰謀論はユダヤ=フリーメイソンと主張する。日本のユダヤ陰謀論を説いた本が海外で問題とされたこともあった。偽書とされる「シオン賢者の議定書(プロトコール)」が有名。欧米には一般庶民にも多数のユダヤ人がいるが、陰謀論者は世界的財閥、報道機関、ハリウッドにユダヤ系の人が多いと主張する。またここで指すユダヤ人がどういうユダヤ人なのか、つまり本当のユダヤ民族なのか、それとも陰謀を行っている人々が勝手に「ユダヤ人」と名乗っているとしているのか、あるいは陰謀論研究者が秘密組織を「ユダヤ」であると勝手に結論づけたのかなどと、「ユダヤ人」という定義において曖昧なところである。この辺もユダヤ陰謀論をややこしくするところである。
反ユダヤ主義も参照。
大日本帝国が中国を手始めに世界征服をたくらんでいたとする陰謀論。現在でも大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、アメリカ合衆国、中華人民共和国、ロシアなどの一部では信じられている。偽書とされる「田中上奏文」が根拠として取り上げられ、それが世界に広まった。アメリカの一部では、日本が現在も企んでいると信じられており、日本企業の海外進出とそれに伴う日米貿易摩擦はその根拠だとされている。彼らは日本が持て余している生産力と技術力を使ってアメリカに匹敵する軍備を構築し、核兵器またはそれに替わる大量破壊兵器を短期間に生産、配備し、やがて第三次世界大戦(または「第二次太平洋戦争」)につながるという恐怖を持っている。黄禍論も参照。
ナチス・ドイツの残党らが南米あるいは南極に逃げ延び、今も影響力を保持しているという考え方。これは人気が高く、ノンフィクション仕立ての関連本や、これを題材にしたフィクション(漫画『HELLSING』、小説『オデッサ・ファイル』など)が発表されている。この説が唱えられた原因にはアイヒマン事件やアドルフ・ヒトラーの遺体発見を巡る謎、南米に逃げ延びた一部の高官が逃亡先で天寿を全うしたり逮捕されたりしている事実がある。ナチスの残党が「最後の大隊」を温存して世界制覇を狙っているという説や、他にもナチスによるUFOの開発説など様々なバリエーションがある。なお、イスラエルと反目しているアラブ諸国やパラグアイ、アルゼンチンはナチスと親交が深い。
詳細はアポロ計画陰謀論を参照
NASAのアポロ計画では実際には月に到達しておらず、月面上からの中継画像は地球上の特撮スタジオで撮影されたものという考え。もともとはアメリカのキリスト教原理主義の一派である地球平面協会が人類が地球外に行けるはずが無いとして唱えた説が俗説化したもので、古典的な陰謀論である。これを踏まえ火星探索に置き換えて製作されたのが映画『カプリコン・1』である。日本では21世紀に入ってからテレビ朝日系列のバラエティ番組「不思議どっとテレビ。これマジ!?」にて取り上げられたことで、広く知られるようになった。[1]月着陸捏造説の他にも、「アポロ計画では実は宇宙人を目撃していた、あるいは宇宙人と密約を交わしていたが、NASAはそれを隠している」といった主張が知られる。
三億円事件は当時最盛期を迎えていた学生運動(70年安保闘争)を潰すために公安警察が仕組んだとする説。犯人は白バイに乗る警察官を装っていたとされるが、大量の証拠を残しておくことで逆に捜査の目をくらませる等、警察の捜査の仕方を熟知していた点、三億円という史上空前の規模であるにも関わらず東芝府中工場の被害は保険金で補われ、保険会社も外国へ再保険を掛けており、結局日本国内では誰も損をしていない点等から、犯人は警察内部の者である、という主張。実際、警察は事件直後から事件現場一帯を中心に学生運動のアジトを一斉検挙し、これを一網打尽にしており70年安保闘争は壊滅した。それとほぼ同時期に三億円事件の捜査陣も縮小されている。
イギリスのウィリアム王子の母であるダイアナ元皇太子妃の交通事故死は、彼女がアラブ人であるドディ・アルファイドと再婚するために改宗し、将来のイギリス国王の母親がイスラム教徒となる不名誉(及び国家機密の漏洩等)を未然に防ごうとしたイギリス情報局秘密情報部による暗殺であるとする説。アラブ世界を中心に流布されたが、イギリス国内でも信じている者は多いとの世論調査結果があり、現在も事故原因について調査が続けられている。漫画『ゴルゴ13』には、この陰謀説を題材にした話が存在する。[2]
日本航空123便墜落事故の事故原因は圧力隔壁の破壊による垂直尾翼、油圧の喪失と発表されたが、事故調査委員会が公表した内容と生存者の情報に明らかな矛盾点がある、急減圧も起きなかった事が証言されているとして、自衛隊機の衝突説や在日米軍が誤射した対空ミサイルによる過失撃墜説、ボーイング747型機の気密安全の構造上の問題(圧力漏れがあった際に働くはずの弁が働いていなかった可能性)を隠し、世界中で運行されていた747型機を飛行停止にしないために、事故原因を単なる修理ミスによる圧力隔壁の急激な破壊として事故の早期解決を図ったとの説(事故後に747-400型へと改良された際に、気密安全構造の一部が改修されている)等の陰謀説がささやかれている。
大韓航空機爆破事件が、韓国国家安全企画部による自作自演であり、金賢姫が北朝鮮の工作員ではなく、国家安全企画部員であるという陰謀論。当初、北朝鮮が主張したが、爆破自体の物証が少ないことや、彼女が死刑判決を受けながら、政治的判断から特赦され、国家安全企画部員と結婚したこと、そして北の思想的浸透を背景に韓国国内でも信じる者が多くいた。そのため、盧武鉉政権の過去史検証の名のもと、この陰謀論に基づき再調査がなされたものの再び否定される結果に終った。ちなみにこの一件のように社会主義陣営が「敵(西側)の情報機関が自作自演の飛行機事故を演出した」と主張する陰謀説は少なくなく、大韓航空機撃墜事件の際も旧ソ連が同じことを主張している。
ケネディ大統領暗殺事件について、弾丸痕跡が多数他方向からあるにもかかわらず、公式に発表されているオズワルド単独犯行とされている。暗殺後、ケネディの遺体が一度盗まれて、遺体に処置があった致命傷の頭部の傷は、オズワルドのいた場所から全く逆の方向から撃たれている。検死を行った医師は、検死に関しては素人。オズワルド自身も暗殺される。証拠としての弾丸(証拠物件399)も全く変形のないものが提示される。その場にいた見物者の証言もオズワルドのいたとされる場所と不一致。少なくとも単独犯でない証拠が多数あるにもかかわらず、政府は単独犯であると結論付けている。よって、アメリカ政府内部の陰謀があったとする説が多数ある。有名なところでは、ベトナム戦争を終結させないため軍産複合体が暗殺したというものなど。ほかにもジョージ・H・W・ブッシュを筆頭にしたCIAやFBI、リンドン・ジョンソン副大統領(当時)、亡命キューバ人、KGBなどが関係しているとする説もある。
詳細はジョン・フィッツジェラルド・ケネディ・ジュニア#陰謀論を参照
ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ・ジュニアが死亡した飛行機事故が、実は彼を暗殺するための人為的なものとする説。墜落した飛行機の意図的に捜索を遅らされたり、救命作業もおおよその場所が特定できているにも関わらず全く別の場所の捜索をさせられていたなどが証拠とされる。
詳細はw:en:Oklahoma City bombing#Conspiracy theoriesを参照
オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件が実はアメリカ政府の自作自演であるとする説。動機が世論や社会情勢の誘導とされる点、手段として発破解体が用いられる点など、基本的には後述の同時多発テロ陰謀説と同種といえる。
アメリカ同時多発テロ事件について、アメリカ政府は事前に事件を察知していたがなんらかの理由でその発生を見逃したとする説、アフガニスタンやイラクへの開戦の口実を得るためのアメリカ政府による自作自演であるとする説など。※アメリカ同時多発テロ事件陰謀説の項は、現在アメリカ同時多発テロ事件とともに方針議論中。
SARSの流行について、中国がその震源地であったことから、中国の急成長やアジアの人口増加を危惧するあまり黄禍論に駆られたアメリカが起こした細菌テロだとする陰謀説。その説の中でSARSウイルスは「黄色人種のみに感染する生物兵器」とされているが、実際には欧米人などアジア系以外の人種にも死亡者を含む多数の感染者が出ており、少なくともこの部分はまったくの虚構といえるが、中丸薫など陰謀論を唱える一部の反米系文化人は「事実」として扱っている。なお、鳥インフルエンザに関しても同様の主張がなされている。
中世のペスト流行時の「ユダヤ人が水に毒を混入した」というデマなど、伝染病を陰謀とする説は古くから存在するが、科学の進歩により病原体が特定され、またそれにより現実に「生物兵器」という存在があらわれたことにより、こうした陰謀説にある種のリアリティが付加された(古い例としては朝鮮戦争中の北朝鮮での出血熱流行時における「国連軍の細菌攻撃説」がある)。
太平洋戦争の始まりとなった大日本帝国海軍による真珠湾攻撃について、アメリカ政府は事前に察知していたが、参戦の大義を獲得する意図からそれを黙殺したとする説。実際、日本の外交暗号(パープル暗号)は既に解読されていて、コーデル・ハル国務長官はほぼ開戦の時期を察知していたという。だが、当時の常識(大艦巨砲主義)では6隻もの空母が太平洋を越えて真珠湾に航空機による攻撃を仕掛けることは予測するのはまず不可能であったともいわれる。また、明治時代からアメリカ国内で長期に渡り続いていた日本人に対する白人の人種的偏見(日本のパイロットは近眼ばかりで戦闘機もろくに操縦できない・所有する軍用機の殆どは外国製の複葉機など)も重なり「開戦の時期は察知していたが、それが真珠湾攻撃との予測は不可能だった」との見解もある。アメリカの歴史の番組にも、予め察知していたが、大統領を含めた上層部で却下されたとしている。アメリカ国民は戦争に不参加の票が多かったが、真珠湾攻撃を境に、戦争参戦の機運が高まった。
第二次大戦中のドイツ軍電撃戦のひとつコヴェントリー空襲(w:en:Coventry Blitz)について、当時イギリスの首相チャーチル以下政府首脳は情報機関から事前にこの作戦を察知していたが、ドイツ側に暗号が解読されたことを察知させないため見逃し、コヴェントリーを犠牲にした、というもの。ゴルゴ13ではこれをモチーフにしたエピソードも作られている。
陰謀論としてではなく、「政治や軍事における非情な戦略的判断」の例として語られる場合もある(いずれにせよ「事実」として扱っていることに変わりはない)。
第二次世界大戦当時、日本が北進し対ソ戦に突入することを恐れたヨシフ・スターリンがコミンテルンなど国際的な共産ネットワークを使い、日本の目を対ソ戦から逸らすために日中戦争・太平洋戦争を仕組んだとする説。盧溝橋事件において撃たれた最初の銃弾について中国側研究者は「日本軍の陰謀」説を、日本側研究者の一部には「中国共産党の陰謀」説を唱える論者も存在する。なお、日本側研究者の見解は「中国側第二十九軍の偶発的射撃」ということで、概ねの一致を見ている。また、太平洋戦争については日本側が最後通牒と受け取ったハル・ノートの作成スタッフにコミンテルンのスパイ(情報提供者)がいたと判明していることから、ここにコミンテルンの陰謀があったとする主張もある。
テレビや雑誌などの広告には性的な言葉や画像が刷り込まれており、サブリミナル効果によって淫らな性行為が広まっているという説。ウィルソン・ブライアン・キイが著書『メディア・セックス』『メディア・レイプ』で取り上げて有名になった。
水道水フッ化物添加とは、フッ素の化合物(フッ化物)を上水道中に添加し、多数の住民を対象として虫歯を予防する手法。北アメリカとオーストラリアでは、多くの自治体が安価な費用で効果を期待できるとの考えにより、水道水へのフッ化物添加を実施している。陰謀説は、1950年代に生じた水道水フッ化物添加は、共産党によるアメリカの意欲を削ぐための陰謀であるという説と、1970年代に生じた(アルミニウム精錬にともなう産業廃棄物としてのフッ化物の処理に関連する)アルミニウム産業と特定の財団・家系との利害関係の絡んだ陰謀である、という説がある。[3][4]水道水フッ化物添加には、陰謀説とは別に水道水フッ化物添加についての議論も存在している。これは水道水フッ化物添加の健康上の恩恵についての議論であり、陰謀論とは分けて考えられる。
トランスワールド航空800便墜落事故の事故原因は、公式には電気配線がショートして電流がタンク内に流れ、気化して充満していた航空燃料に引火したためとされている。しかし発生時期がアトランタオリンピック開催直前であることに加え、事故直前にレーダー上で同機に向かう飛行物体が確認されたことや、地対空ミサイルの航跡とおぼしきものが旅客機に向かって伸びていたという複数の証言があったり、そのときの写真が撮影されていた。そのため、現在でも本当の事故原因は別にあり、それを隠蔽するために前述のような調査報告が為されたという陰謀論がある。具体的にはアメリカに敵対しているイスラム過激派による地対空ミサイルや時限爆弾による航空テロのほか、アメリカ海軍の原子力潜水艦によるミサイル誤射説、アラスカの軍事施設ハープの実験説、隕石直撃説など諸説が唱えられている。現在でもアメリカのインターネット上でこれらの陰謀説を真実だと主張するサイトが多数存在するという。
韓国で広まったオカルト色の強い陰謀論。日本植民地時代に朝鮮総督府が風水を利用して朝鮮民族を弱体化させようとしたとされる説。日帝風水謀略説を参照。
歴史には、当時目的や内容が隠蔽されており、一時期陰謀論として扱われた後に、目的が明らかとなり、陰謀であると認識されるようになった事件がある。
柳条湖事件とも呼ばれる、1931年南満州鉄道における爆破事件。日本軍はこれを張学良の仕業と発表したが、実は石原莞爾、板垣征四郎らを中心とする関東軍の策略であった。河本中尉が数名の部下を使って申し訳程度の爆破を行ない、満州事変を起こす口実としたのであり、日本はその後いわゆる十五年戦争へ突入することになった。
詳細はトンキン湾事件を参照
ベトナム戦争において、アメリカの駆逐艦が北ベトナムにより攻撃を受けたとされる事件。北爆開始の理由となった。しかし、北ベトナムは事件の一部について否認していた。後にペンタゴン・ペーパーズにより事件の一部がアメリカによる捏造だったことが発覚。
詳細は松本サリン事件を参照
松本市で多数の患者が発生した松本サリン事件は、近所の農薬所有者がサリンを製造して撒いたのではないかと疑いをかけられ、長野県警に連日にわたって聴取されたが無実であった。真犯人が不明のままであった事件から半年後に、「某宗教団体が検察の官舎を狙った犯行」という陰謀論が出版され、その分析の緻密さで一部で評判になっていた。その後1995年3月、東京の地下鉄駅にサリンが撒かれる事態になり(地下鉄サリン事件)、過去の松本サリン事件も、オウム真理教の犯行と明らかになった。
詳細は北朝鮮による日本人拉致問題を参照
1970年代に日本海沿岸などの各地で日本人が行方不明になる事件が多発していたが、これは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による犯行との噂があった。行方不明者の家族による運動があり、公明党の議員が疑惑について国会で言及したこともある。当時のジャーナリズムでは産経新聞が「外国情報機関が関与?」という見出しの記事を掲載し、また朝日新聞が1985年8月に「北朝鮮の密入国船が関与?」の報道があったが、荒唐無稽な陰謀論と考えられてまともに扱われなかった。
大韓航空機爆破事件の際の工作員金賢姫の証言から疑惑が濃厚になり、日本共産党が拉致疑惑を国会で取り上げ(直接の質問者は橋本敦)、警察庁より北朝鮮による拉致の疑いがあるとの答弁を初めて得たが、政府は依然として調査を行おうとはせず、十数年を経て北朝鮮についての新たな情報が見出され、最終的に北朝鮮の最高指導者金正日自身が拉致を認めるに至り(ただし謝罪はしていない)、実際に北朝鮮の国家機関による拉致が行われていたことが判明した。
イタリアでアンブロシアーノ銀行頭取ロベルト・カルヴィの不審死から明らかになった、フリーメイソンP2ロッジによるイタリア政府転覆計画。フリーメイソンが様々な陰謀を行っていると言う噂は常に流れているが、事実として明るみに出た稀有な例。このためP2は上位のグランドロッジから解散処分を受けた。[5]
詳細はエシュロンを参照
アメリカ合衆国により軍事目的で作られた電話、ファックス、電子メールメッセージなどを盗聴するネットワーク。国家安全保障局 (NSA)が主導となり運営している。冷戦時代にソ連を意識して作られたが、冷戦後は軍事目的での使用が減り、代わりに各国において産業スパイとして使われているのではないかと懸念されている。
詳細は喫煙#喫煙推進に関する動きを参照
神奈川県が、2006年12月27日~2007年1月26日にインターネット上で実施した、『条例で公共の場所の喫煙を規制すること』についてのアンケートに対し、日本たばこ産業は社員などにアンケートで『反対』の投票をするよう指示していた。詳細は日本たばこ産業#禁煙条例に対する組織投票問題を参照
月刊誌文藝春秋 (雑誌)の2007年10月号にて養老孟司は、禁煙運動を批判した。日本禁煙学会は、この件と日本たばこ産業との関連について公開質問状を出している。[7]
1987年に大津市の市立小学校における卒業制作にて、児童たちがミッキーマウスの絵をプールに描いたところ、日本ウォルト・ディズニー・プロダクションから著作権侵害との申し入れがあった。[8]。自社の著作権保護を重視するディズニーの姿勢を象徴する事件の1つに挙げられる(ウォルト・ディズニー・カンパニー#著作権とウォルト・ディズニー社)。
陰謀論を参考にして制作された大衆娯楽には、さまざまなものがある。大衆娯楽にて扱われる場合、陰謀論は都市伝説と同様に、有名なものがモチーフとされることが多い。陰謀論の扱い方には、以下のような種類がある。
映画『ゼイリブ』(1988年、アメリカ)では現代社会に多数の宇宙人が人間の振りをして生活しており、彼等によって世界がコントロールされているという事実を暴くために主人公が奮闘する。