ネグロイド (Negroid) は、人種のひとつ。黒人、黒色人種などとも言われる。ラテン語のnegro(ネグロ、黒)に由来するが、英語風にニグロイドともいう。
現生人類は、ホモ・サピエンスというただ一種に属している。 しかしながら一般的にはオセアニアに見られるオーストラロイド、東アジア・東南アジア・ポリネシア・南北アメリカ大陸などに見られるモンゴロイド(黄色人種)、北アフリカ・ヨーロッパ・西アジア・アラブ・南アジアなどに見られるコーカソイド(白色人種)、及びネグロイドを4大人種という。
なお、黒人という呼称は一般的にはアフリカを起源とする肌の黒い人々を指す呼称であるが、科学的な根拠は無い。例えば、20世紀後半までは中東地域・インド亜大陸に住む白人(コーカソイド)も黒人あるいは有色人種と呼ばれていた。
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黒人の中でも肌の色に違いはあり、より黒い人と茶色の人がいる。手の平、足の裏などは他の部分の肌の色に比べると色が薄い人が大半である。体格は黄色人種に比べると白人同様大柄な人が多く、頭部が比較的小さく手足が長い。白人のように鼻は尖がっておらず、白人ほど彫りは深くない。目は茶色(黒)が主で多くの人が二重、また唇が厚い人が多いとされることもあるが、偏見であるとする意見もある。ストレートの髪を持つ人は少なくカールしていることが多い。当事者にとっては顔の彫りにも現れる骨格などの違いで「白人」と見分けるのは簡単であるが、黄色人種の中には「また茶色の肌を持っている黒人を白人(特にヒスパニック系、中東系の白人など)と見た目で区別するのは難しい。」などと例えば日焼けしたアントニオ・バンデラスが黒人かどうか区別できない者もいる。
統計によると腋臭(ワキガ)症体質者は黒人の場合10人中10人。
オーストラリアのアボリジニやメラネシアンなどオセアニアの先住民たちは、その肌の黒さから黒人と思われることが多いが、彼らはオーストラロイドである。 またポリネシアン、ミクロネシアンはモンゴロイド(黄色人種)である。 同様にインド亜大陸のアーリア人も同じく肌の色から黒人だと思われる場合があるが、彼らの場合はコーカソイド(白色人種)である。
ネグロイドをコンゴイドとカポイドの二人種にわけ、これとモンゴロイド、コーカソイド、オーストラロイドを合わせて5大人種とすることがある。また、ネイティブアメリカンをモンゴロイドから分け、6大人種とする場合もある。
コンゴイドとカポイドは身体的特徴だけでなく、言語及び(欧米化以前の)生活様式によっても区分できる。
遺伝子の分析によると身長の低いネグリロは周囲のカポイドと近縁である。
米国ではニグロイド(ネグロイドの英語発音)という言い方は差別用語とされ、最も丁寧な呼び方として「アフリカ系の○○(African-○○)」を使うことがある。例えばアメリカ人であった場合、アフリカン・アメリカン(African-American)という。ただし、ネグロイドは元来、人種に対する中立の呼称であり、差別的なニュアンスは主に黒人奴隷を使用していた欧米諸国の社会的要因から派生したものである。ニグロと縮めて呼ぶのは前時代的な語法であり、現在では明らかな差別用語とされている。さらに「ニガー(nigger)」とした場合、その差別的意味は強まる。
米国以外の英語圏では、ブラック・パーソン(複数形はブラック・ピープル)と呼ぶのが社会的、政治的に正しいとされている。これは、アフリカ以外の地域(南アジア、カリブ、太平洋諸島など)にも肌が黒い人種が存在し、彼らを誤って「アフリカ系」と呼んでしまうことを避けるためである。「ブラック」と縮めた場合は、非公式な意味合いが強まる。
最近の米国では「アフリカ系」がよく使われるが、米国においても、必ずしも「ブラック」という呼称が差別用語にあたるとは限らない。実際に黒人は自分達のことをブラックと呼ぶことも多く、テレビのニュース番組でも「ブラック」という言葉はしばしば用いられる。ただし、明確な差別用語であるニガーという呼称も、アフリカ系同士の間では、仲間意識を込めた呼びかけとしても使用されることからもわかるように、こうした用語をアフリカ系の人が使用する場合と他人種の人が使用する場合では意味合いや受け取られ方が異なる。白人や黄色人種が用いる際は用いる文脈に考慮し慎重を期さねば差別語的意味を汲み取られる可能性もあることに注意する必要がある。
さらに米国における黒人自らの文脈で「ブラック」を用いた例として、黒人公民権運動の中で用いられてきたBlack is Beautifulというスローガンは象徴的である。同様に黒人コミュニティに関係した団体組織の多くが自ら名称に「ブラック」を用いている。また『Black Hair Style』という黒人専門のヘアスタイル情報誌や、『Black Enterprise』といった黒人専門のビジネス雑誌の存在もこの用例であろう。
米国における黒人に関する誤謬について付言するならば、多くの米国の都市で形成されている黒人地区が、治安が悪い場所となっていることが多い(例:ニューヨーク市ブロンクス区など)とされるほか、米国南部(例:アトランタ市など)では奴隷時代の名残から北部に比べると黒人の割合が多く、そのような都市は決まって治安が良くない、という統計が出されることが多い。これは「黒人が犯罪を起こしやすい」のではなく「貧困層に黒人が多い」ことが原因であり、貧困が原因による犯罪が主である。貧しい家に育った人は十分な教育を受けられず、その結果地位のある仕事に就くこともできず満足な収入を得られない、という悪循環が米国都市部黒人地域の治安改善に至らない根底であり、多くの市政が頭を抱える問題でもある。