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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2007年11月7日 (水) 06:26。)
Disambiguation この項目ではクライスラー社のブランドについて記述しています。その他の用例についてはジープ (曖昧さ回避)をご覧ください。
フォード・GPW
フォード・GPW

ジープ (Jeep) は、クライスラー社の四輪駆動車のブランドである。ジープは単なる商標に留まらず、その優れた設計から民生のクロスカントリーカーや小型軍用車両の代名詞となっており、ライセンス生産、コピーを問わず、世界中に亜流が存在する。

目次

歴史

Jeepという名称は General Purpose(万能)もしくは Government-use(政府用)の G とホイールベース 80 インチの車両を表す識別符号の P から来た符号 GP から“ジープ”と命名されたという説や、漫画「ポパイ」に登場する「ユージン・ザ・ジープ」からとったという説がある。

1941年アメリカン・バンタムMk II (BRC-60)(en) ギルモア自動車博物館ミシガン州
1941年
アメリカン・バンタム
Mk II (BRC-60)
(en) ギルモア自動車博物館
ミシガン州
  • 1940年 アメリカ陸軍補給処 (en)はポーランド侵攻におけるキューベルワーゲンの活躍に注目し、135社の自動車製造会社に大まかな設計要件を伝え、小型偵察車開発計画に応札することを要請した。(en) アメリカン・バンタム社が落札し、プロトタイプを製作する。
  • 1941年 弱小企業であるバンタム社の生産能力を危惧する陸軍はバンタム社の設計図を公開し、これに基づき(en) ウィリス・オーバーランド社はウイリスMAを、フォード・モーター社もフォード・GPと呼ばれるプロトタイプを製作。3社合わせて数千台規模により実戦投入された結果、ウィリスMAに改良を加えたMBが正式採用される。
    同年中に日本陸軍フィリピン作戦にてバンタムMk II(BRC-60)を鹵獲、内地に持ち帰る。これをコピーするようトヨタ自動車に命じ、1944年8月にトヨタ呼称AK10型として試作車5台が出揃い、御殿場で試験された。その結果、陸軍・四式小型貨物車として制式採用されるが、極度の資材欠乏と労働力低下から生産が間に合わず、ジープのような活躍の記録は無い。
    また、このAK10型と戦後のトヨタ・ジープ、のちのランドクルーザーとの設計面でのつながりも一切無い。
  • 1942年から、同一仕様のウイリスMB、フォード・GPWの生産が始まる。
  • 1953年 新三菱重工業、後に分社して三菱自動車工業、がウィリス社のジープ(CJ-3A、すぐにCJ-3Bに切り替わる)のノックダウン生産を始める。

軍用Jeep生産台数

モデル 生産台数
Bantam pilot 1940 1
Bantam Mk II / BRC-60 1940 69
Willys Quad 1940 5
Ford Pygmy 1940 1
Bantam BRC-40 1941 2,605
Willys MA 1941 1,553
Ford GP 1941 4,456
Willys MB 1942 - 1945 361,339
(25,808 スラットグリル + 335,531 プレスグリル)
Ford GPW 1942 - 1945 277,896
第二次世界大戦中 小計 1940 - 1945 647,925
その他
(en) Ford GPA 'Seep'
水陸両用車
1942 - 1943 12,778
戦後
Willys M38 (MC) 1950 - 1952 61,423
Willys M38A1 (MD) 1952 - 1957 101,488
Willys M606 (CJ-3B) 1953 - 1968 ? (155,494台生産されたCJ-3Bの一部。)
Willys M170 1954 - 1964 6,500

海外生産

  • フランス オチキス(ホッチキス)社で1954年からライセンス生産が行われた。
  • 日本では三菱自動車三菱・ジープという名称でライセンス生産されていたが、陸上自衛隊の採用中止に伴い、1998年に生産終了となった。
  • 中国では、第二次大戦中、日本との戦争に向けて、ライセンス生産をしていた。当時約2000台を生産し戦場へ供給していた。1984年に当時のAMCとの合弁企業「北京ジープ」が設立され、現在でもジープチェロキー(XJ)が生産されている。
  • 韓国では、双龍自動車(Ssangyong Motor)がCJ-7をライセンス生産(コランド)したことがある。
  • インドでは、マヒンドラ&マヒンドラ社が現在でもライセンス生産を行っている。
  • 旧ソ連は、第二次大戦中、アメリカの物資援助で運ばれたジープをコピー改良しGAZ-67Bトラックを開発。戦中戦後で6万台以上製造され、ソ連や旧共産圏に配備された。

ブランド

  • 第二次大戦後、ウィリス・オーバーランド (Willys) 社が商標を所有していたが、ウィリス・オーバーランド社を1953年にカイザー (Kaiser) が買収し、社名をウィリス・モーターズ・インコーポレーテッドとして子会社化。1963年にはカイザー自体が社名を「カイザー=ジープ・コーポレーション」とした。カイザー=ジープ社は1970年にはアメリカン・モーターズ (AMC) に買収される。AMCは1980年にはルノー傘下に入り、1987年にはAMCがクライスラー社に吸収され、クライスラー社も1998年にダイムラー・ベンツと合併し、ダイムラー・クライスラーとなった。2007年にダイムラー・クライスラーは、クライスラー部門を米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントに売却、現在はクライスラー(Chrysler LLC)の一部門・ブランドである。

車種一覧

現行モデル

※車種は市場関係なく紹介するがバリエーションは日本仕様に基づくものとする。
ラングラー XJK 2007モデル
ラングラー X
JK 2007モデル
ラングラー アンリミテッド サハラJK 2007モデル
ラングラー アンリミテッド サハラ
JK 2007モデル
  • ジープ・ラングラー
    • 現行型はJK型と呼ばれている。CJ、YJ、TJと続いてきた、ジープの本流とも言えるモデル。

本国のラインナップ
2007年モデルから、エンジンがV6 3.8Lのみとなり、ロングホイールベースの4ドア、アンリミテッドが加わった。4×4のトランスファーは全てパートタイム

  • 2ドア
    • 4×4
      • ルビコン     ロックトラック
      • X         コマンドトラック
      • サハラ      コマンドトラック
  • 4ドア
    • 4×2
      • アンリミテッド サハラ
      • アンリミテッド X 
    • 4×4
      • アンリミテッド ルビコン  ロックトラック
      • アンリミテッド サハラ  コマンドトラック
      • アンリミテッド X     コマンドトラック
チェロキー/リバティー (KJ)
チェロキー/リバティー (KJ)
  • ジープ・チェロキー
    • 現行型はKJ型と呼ばれている。日本では先代型であるXJ型がヒットした。本国での名称はリバティ。
      • スポーツ
      • レネゲード
      • リミテッド
グランドチェロキー (WH)
グランドチェロキー (WH)
  • ジープ・グランドチェロキー
    • 現行型はWH型と呼ばれている。ジープブランドのフラッグシップモデル。本国ではクライスラーのSRT HEMI V8 6.1Lを積むホットモデル、SRT-8と、5.7L HEMI V8 MDS のオーバーランド も存在する。
      • ラレード
      • リミテッド
      • リミテッドV8
  • ジープ・コマンダー
  • 2005年のニューヨークオートショーでデビュー
    クラシカルなスタイルの4ドア、3列シートのSUV。
    ※日本では詳細が発表されていないため、本国でのバリエーションを記載。
    • 全グレードに4×2、4×4を用意
      • スポーツ 3,7L V6  クワドラトラックI/II
      • リミテッド 4,7L V8 FFV、 オプションで5.7L HEMI V8 MDS  クワドラトラックII/クワドラドライブII
      • オーバーランド 5,7L HEMI V8 MDS  クワドラドライブII
※MDS = マルチ ディスプレイスメント システム = 可変気筒休止システム
※FFV = フレックス フューエル ヴィークル = ガソリン/E85互換車両
※E85 = エタノール(アルコール)85%混入燃料

絶版モデル

ジープ・グラディエーターキャンパーシェル付
ジープ・グラディエーター
キャンパーシェル付
ジープ・コマンチキャンパーシェル付
ジープ・コマンチ
キャンパーシェル付
1948年ウイリス ジープスター(VJ)
1948年
ウイリス ジープスター(VJ)
1972年ジープ・コマンド (C104)
1972年
ジープ・コマンド (C104)
  • トラディショナル ジープ
    オリジナルのウイリス・ジープ(ホイールベース=W/B 90インチ)に近いスタイル。

その他

本田技研工業初の自社開発SUVであるホンダ・CR-Vが発表されるまでの間、ホンダのディーラーでジープ各車種が販売されていた。また、ビッグスリー初の日本向け右ハンドル車はチェロキー(XJ)だった。

文献

  • 石川 雄一 (ジープの歴史):『Jeep Truck 1/4 ton 4x4 Utility』、4x4 Magazine、1980年
  • D.Denfeld / M.Fry : 『ジープ:不滅の戦闘車両』、サンケイ出版、1981年
  • 大塚 康生 (太平洋戦線で戦うジープ):『ジープ:太平洋の旅』、ホビー・ジャパン、1994年、ISBN 4-89425-039-X
  • 影山 夙:『図解 四輪駆動車:322点の図・写真で綴る4WDの技術と発展史』、山海堂、2000年、ISBN 4-381-07743-1 

関連項目

外部リンク

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