LLC(エルエルシー、Limited Liability Company、リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)とは、アメリカ合衆国の各州法に基づいて設立される法人で、ベンチャー企業や投資のための受け皿としての組織体として、コーポレーションと並んでよく活用されている企業形態である。株式会社に類似するコーポレーションと、組合に類似するパートナーシップの中間的な性質を持っている点が特徴である。
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LLCは、パートナーシップ制度を発展させる形で、1977年にワイオミング州で初めて法制化された、法人ではない組織形態である。当初は、課税上の取り扱いが不明確であったため、設立に躊躇する向きもあったが、1988年にキントナー規則によりその取り扱いが明らかにされると急速に各州に普及した。さらに1997年、IRSがチェック・ザ・ボックス規則を導入し、税務上、構成員課税を選択できることとされたことにより、投資家などから、法人レベルとその構成員レベルでの二重課税を回避できる使い勝手のよい企業形態として認識されるようになった。
有限責任の人的な法人制度である。
LLCへの出資者は株式会社同様に全員が有限責任とされており、出資額を限度としてのみ責任を負い、組合のように出資者が無限責任を負うことなく、事業の失敗のリスクから隔離されている。その一方で、会社の内部ルールについては、株式会社のように、会社法の詳細な規制に拘束されることなく、組合のように契約によって自由に決定することができるものとされている。このため、経営者の迅速な意思決定が必要な場合に、それを可能とする組織形態である。
LLCの会社名には、省略のない「Limited Liability Company」か、あるいは「LLC」ないしは「Ltd.」[要出典]などの文言を用いるものとされている。
日本における類似形態である合同会社は定款自治が優先されているため、株式会社のように出資割合に拘束された利益配当ではなく、社員の同意により出資者に対して自由な配分で利益の配当を決定することができる。また、合同会社は、株式会社と違い、定款の認証が不要であり、事務的・経済的な負担が小さくなるため、少人数で新規起業するのに適した法人形態と言える。
アメリカにおけるLLCと同様の機能を果たしている企業組織形態として、イギリスのLLP(Limited Liability Partnership、2000年に導入)、ドイツのGmbH&Co.KG、フランスのSAS(単純型株式資本会社)がある。
日本では、従来、アメリカのLLCに相当する制度は用意されていなかったが、「会社法」(平成17年(2005年)7月26日公布、2006年5月1日施行)の施行により、いわゆる日本版LLCとして「合同会社」が導入された。但し、米国のLLCのように構成員に対するパススルー課税は認められておらず、簡便な会社組織としての意義が強く、会社法施行以降は新規設立が認められなくなった旧有限会社(特例有限会社)に代わる存在としての期待がむしろ強い。