政府開発援助(せいふかいはつえんじょ, 英語:Official Development Assistance)は、先進工業国の政府及び政府機関が発展途上国に対して行う援助や出資のことをいう。国際貢献の一つである。通称、ODA。
日本国も積極的にODAを実施しており、出資額は2004年でアメリカに次いで第2位である(ただし日本はGNPの母体自体が大きいため、ODAがGNPを占める比率での国別比較では低い位置である)。
一方で、財務省の財政アンケート調査結果によれば、道路・年金等を押さえ「減らすべき予算」第1位にランク・インし続けており国民からの削減圧力にさらされている。
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先進国側が直接、発展途上国に有償、無償の資金などを援助する。
国際機関に対して出資や拠出しそこを通じた間接的な援助。
世界恐慌によって進んだブロック経済による長引く不況や、第二次世界大戦によって混乱した世界経済の安定のため、1944年にブレトン・ウッズ体制(IMF体制)が確立した。そして、1945年12月、戦後の世界の復興と開発のため、国際通貨基金 (IMF) と国際復興開発銀行(IBRD、通称「世界銀行」)が設立される。1947年6月には、欧州復興計画(マーシャル・プラン)の構想が発表される。アメリカの支援によって、ヨーロッパは目覚しい復興を果たす。
オリバー・フランクスによって指摘された先進国と発展途上国の間にある大きな経済格差が問題(南北問題)を発端に、途上国支援のために1960年に国際開発協会(IDA、通称は第二世銀)、1961年に開発援助委員会項目名 (DAC) と立て続けに支援体制が整っていく。1961年、アメリカのケネディ大統領が国連総会演説で先進国の国民所得の1%の移転と、途上国の年率5%の成長を目標とした「開発の10年」が提唱する。
日本は敗戦後の1946年から1951年の間に、アメリカの「占領地域救済政府資金」 (GARIOA) と「占領地域経済復興資金」 (EROA) から約50億ドルのODAが援助された。カナダ、メキシコ、チリ、ブラジル、アルゼンチン、ペルーなどからも生活物資や食料などが援助された。1953年には、世界銀行から多国間援助である有償資金を使用し、東海道新幹線、東名高速道路、黒部川第四発電所などを建設(1990年に完済)。こういった経験から、現在のダム建設などのインフラ整備の日本の政策に重点を置いているとも言われる。
日本からODAを拠出したのは、1954年にビルマと結んだ「日本・ビルマ平和条約及び賠償・経済協力協定」での賠償供与が初めてである。その後、フィリピン、インドネシアと経済協力は続ていくが、初期の日本のODAは戦後賠償としての意味合いが強かった。
1960年代の高度経済成長に入ってから、徐々に現在のODAの体系に近づき、拠出額も増大していく。 1961年アメリカによって主導的に設立された開発援助委員会 (DAC) に、1963年参加する。1964年には経済協力開発機構 (OECD) に加盟。1974年には国際協力事業団 (JICA) が設立される。
1992年、ODA大綱が閣議決定される。 2001年の調査によると、日本は世界第一位の拠出額である。毎年1兆円あまり様々な国に供与している。
日本がODA大国となった理由として、以下の事由が挙げられる。
ODA大綱とは、政府開発援助(ODA)に関する基本理念や重点事項などを集大成したものである。
1992年、閣議によって決定された。2003年8月に、現在の大綱に改定される。
ODAが貧困な発展途上国であれば、どの国にでも援助できるかといえばそうではない。
援助の選定となる基準と呼ぶべき4原則がある
国際連合憲章の諸原則(特に、主権、平等及び内政不干渉)及び以下の諸点を踏まえ、開発途上国の援助需要、経済社会状況、二国間関係などを総合的に判断の上、ODAを実施するものとする。
(以上、外務省のサイト『政府開発援助大綱』[1]から)
しばしば指摘されるODAの問題点。
タイド援助とは、援助国がインフラ整備などの開発プロジェクトなどのODA事業に関して、資材の調達先や服務などの工事事業を日本企業に限定することである。「ひも付き援助」とも言う。事業を請け負う企業(商社・ゼネコン等)と政治家の癒着が問題視されてきた。
1970年代頃、援助される国にはインフラなどが整備されるだけで、援助国(請負企業)の一方的な利益追求によって事業が推進される恐れがあると懸念されていた。 1980年代以降、これらの批判を受け、資材の調達先や工事事業の受注先などを特定しないアンタイド援助が増加していった。現在では、90%後半がアンタイド援助である。日本企業の受注率も、1993年には29%と減少続けている。
いずれも正常なコスト意識がないので、取引そのものが非常に利益率が高く設定され、仲介する個人・業者がいくらでもコミッションを取れる構造で政商、黒幕と呼ばれる人物や政治家が私服を肥やしてきており、それを税金で大判振る舞いしているのが現状である。
中国やベトナムといった共産党による一党独裁政治が行われている国に対する多額のODA供与は、援助実施の原則の条件を満たしているかということである。
政府に対する批判や民主化を進める活動家や宗教家の弾圧など人権侵害が行われている中国やベトナムは、大綱の「開発途上国における民主化の促進、基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払う。」に違反しているなど。
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| 国名 | 実績額(億ドル) | 前年比伸び率(%) | 国民所得比率(%) |
|---|---|---|---|
| 米国 | 274 | 35.6 | 0.22 |
| 日本 | 131 | 51.2 | 0.28 |
| イギリス | 107 | 34.8 | 0.48 |
| フランス | 100 | 17.1 | 0.47 |
| ドイツ | 99 | 30.7 | 0.35 |
| オランダ | 51 | 20.2 | 0.82 |
| イタリア | 50 | 99.9 | 0.29 |
対前年度伸び率:前年比増減額/前年実績額に為替変動、インフレ等の変動要因を加味して算出した伸び値