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OHV

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』(最終更新 2007年10月30日 (火) 11:21。)

OHVとは、 Over Head Valveアクロニムレシプロエンジン4サイクル機関のプロセスを採用した内燃機関における吸排気弁機構の形式の一つ。日本語では頭上弁式と表記される。カムシャフトをシリンダヘッドに備えたOHC方式も吸排気弁をシリンダヘッドの上部に持つため OHV に含める場合もあるが、ここでは含めないものとする。

目次

構造

オートバイ用のOHVエンジン
オートバイ用のOHVエンジン
OHVエンジンのプッシュロッド機構
OHVエンジンのプッシュロッド機構

カムシャフトがシリンダの横に位置しプッシュロッドとよばれる長い棒を介してロッカアームを押し上げバルブを開閉させる。したがってマニアの間では「プッシュロッドエンジン」と呼ばれる事もある。

SV(サイドバルブ) に対して OHV が有利なのは、バルブをシリンダヘッド内部に配置することで燃焼室を小さくできる点である。 これにより OHV は SV に比べて燃焼室の表面積が小さくなったことで、ヘッドへ逃げる熱が少なくなり、圧縮比も高くとれるため、一段と熱効率と出力を向上させることが可能となった。

SV方式からの移行期には吸気弁が OHV 、排気弁が SV というエンジンも存在した。

長いプッシュロッドではその質量と、熱膨張による寸法変化が問題となるため、カムシャフトの位置を高くし、プッシュロッドを短くした、ハイカムシャフト方式と呼ばれるものもある。

OHV方式の採用例

日本では、1960年代から1980年代に製造された乗用車によく採用された。二輪車ではスーパーカブも1958年の発売開始時では OHV であったが、1964年のモデルチェンジでSOHCに変更されている。同一車種に複数のグレードを設定する場合、上位グレードにはOHCエンジンを、下位グレードに OHV エンジンを採用し差別化を計ることが多かった[1]。代表的な車種は、トヨタ・コロナトヨタ・カローラいすゞ・ベレット日産・サニー三菱・ランサー[2]。。

これらの車種で、モデルチェンジを行って存続したものは1980年代に入って OHV の採用をやめた。1990年代以降の日本製の日本国内向け小型自動車ガソリンエンジンに限定すると、トヨタLPG車を含む一部の商用車を除き OHV エンジンはほとんど採用されなくなり、バルブを持たないロータリーエンジンを除外すればほとんどがOHCエンジン[3]に置き換えられた。

プッシュロッドやロッカーアームの「音」が心地よいことと、オーバーホール、リビルドが易しい[4]ことから、趣味の世界では依然として OHV の人気は高い。

OHV は決して過去の技術と言うわけではなく、本稿執筆時点(2006年7月)においても OHV エンジンの開発は止まっておらず、ハーレーダビッドソン社・ヤマハ発動機スズキなどからは OHV エンジンを採用したオートバイが発売されている。

モータースポーツでは、カーボンコンポジットのプッシュロッドも登場している。また、アメリカンモータースポーツの代表格といえるNASCARにおいては、原則として参加する車のエンジンがOHVに限定されているため、トヨタ・タンドラのように市販車ではOHCエンジンを搭載している車がわざわざOHVにエンジンを換装して参加している例もある。

またアメリカではコストダウンの波に押されて徐々に減りつつあるが OHV エンジン搭載車が多く存在する。例えばシボレー・コルベットには、1980年代末期にZR-1と呼ばれる DOHC 搭載モデルが存在したが、重心を低くすることで運動性能を高められるとして現行モデルにおいても OHV に固執している。またクライスラーは半球形の燃焼室に由来するヘミエンジンを21世紀に復活させた。これには、数ある自動車メーカーのなかで、自社のアイデンティティを前面に打ち出し、差別化を図る狙いがある。

OHV は、同じ排気量の SOHC エンジンと比べて構造が単純なため整備しやすく(とはいえSVほどではないが)、軽量・コンパクトという利点があり、4サイクルエンジンによる自家発電機ポンプ、農耕用等の汎用エンジンといった自動車以外の用途では主役の座を維持している。しかし、一方で汎用エンジン大手の本田技研工業2003年に従来の同社の OHV エンジンより軽量コンパクトな OHC エンジン、GX35(排気量:35.8cc、主に1インチエンジンポンプ、動力散布機刈払い機用)を発表し、続いて2005年にも OHC のiGX440(排気量:438cc)を発表するなど OHV エンジンを OHC エンジンに置き換えている。

OHV は往復運動する部品が多く、特にプッシュロッドの重量が高回転時のバルブの追従性を悪化させるため、エンジンの許容回転数を上げることが難しくサイドバルブ程ではないがバルブサージングが発生しやすい。しかし、飛行機船舶などのレシプロエンジンではプロペラを定められた回転数よりも高速に回転させる必要がない上、耐久性と信頼性に優れるため、 OHV は多用されている。これは、ディーゼルエンジンにも当てはまるが、自動車用ディーゼルエンジンの内、小型のものはガソリンエンジンとの設計の共通化が進み、部品点数の削減や軽量化の面でもOHCが有利とされ、 OHV は中型以上に見られるのみとなった。

関連項目

脚注

  1. ^ ただし逆の場合もあった。
  2. ^ 特に初代の初期型
  3. ^ 一部はさらに高級なDOHCエンジンに置き換えられる。
  4. ^ 特に二輪車や汎用ディーゼルを含む汎用OHVエンジン全般。なによりタイミングチェーンが無く(ただし一部の自動車用は例外的にタイミングチェーンやタイミングベルトが用いられる場合がある)整備しやすいのが長所。
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